『DUNE』の映画が企画されたときに
集められた魂の戦士たちがつくったストーリーボードを実際に見ることが出来るエキシビジョン。
このストーリーボードは完全版ではなく抜粋版ですが、その厚みと漂う雰囲気は、ホドロフスキーがこの映画にどれだけ命を注いでいたかがわかります。
そしてこのストーリーボード、メビウス(フランスのバンドデシネの漫画家)ファンの日本人がebayで落札したとか。よくやった!
だがしかし!
それよりも目を奪われるものが会場にはあったのでした。
『ホドロフスキーのタロット研究ノート』
ほんの数ページ、しかもコピーなんだけど、これがよかった。
思考回路の一旦をのぞいてきちゃいましたよ。。
フィリップカモワン氏と共同製作した
「ホドロフスキー・カモワン版マルセイユタロット」
このタロットが失われたマルセイユ版のシンボルを復刻したもの(賛否あるけども)というのも、あのノートを見ると納得しそうに。それだけ魔術的な雰囲気も漂ってました。
(ホドロフスキーによるカモワン版の解説はこちら)
今日本で出版されていないのは、惜しいですねぇ
ノートの文字は(たぶん)スペイン語なので、書いてある内容は分からないけれど、絵やシンボルを使って、自身のインスピレーションと混ぜ合わせて書かれています。
それは知識(おそらく学者並み)も深く追求し、かといって知識だけに終わらず
インスピレーションを大切にするが、感覚だけでも終わらない
深い海の底を感じさせるような印象を受けました。
ホドロフスキー来日時に対談した横尾忠則氏がキネ旬6月号で、ホドロフスキーの受信能力の高さについて触れ
「(前略)…結局、日本の文化、伝統の話がメインになったけど、これ、彼の感性というか女性原理としての受信能力の高さがよくわかる話だったね。あの短い期間(ホドがマルセル・マルソーと60年前に公演で来日した期間)にあれだけのものを、しかも本質を的確にとらえた形で吸収していった様子は、まさに海綿体、吸い取り紙みたいだよね。で、さらにすごいのは、本来ならば日本人が仕事や表現の中でもっと意識して問題化していかなければいけない日本の諸処の精神性と霊性を、彼は昔の作品から最新の作品にいたるまで、その中に哲学的な形で入れ込んでいるということ…(後略)」
と述べていて、その健全な受信能力と発信能力は、タロットに描かれている2元の統合を地でいく姿だわ、とますますファンになったのでした。オス的なイメージの方がそれまでは強かったので。
写真禁止だったので撮れてないのですが、
ノートの一部をわたしの脳内記憶で再現したものがこちら。
TAROTという文字をアンクに見立てたり、色々な形に変形させていました。
よきものを見せていただきました。合掌。