5.他の高等教育機関での勤務から、京都大学に戻るときに抵抗感はありましたか?
「抵抗感」というよりも「再適応でのハードル」というようなところでしょうか。「出向」の場合、大学職員・公務員・企業人問わず、「行った先への適応」と「戻ってきた先での再適応」の二つのハードルが存在します(「転職」では「転職した先への適応」の一つ)。そうした意味でのハードルは当然あります(というよりも、無かったら何のための出向なのか分かりません)。
大事なのは、出向にはメリット・デメリットが存在し、戻ってきた際にハードランディングさせるのではなく、個人の側と組織の側の両方で、ソフトランディングさせることかと思います。
少し似た点として、海外勤務について中原淳・東京大学准教授が下記の記事を書かれていますが、ここで書かれていることはほとんど出向にも当てはまるように思います。
参考:中原淳先生ホームページ
「海外勤務から帰ってきた人が「離職」する理由とは何か?」
「育成機会としての海外派遣」に潜むメリットとリスクとは何か!?」6.現在の若手職員に足りていない要素は?
今回の交流大会に参加された方に限っても、様々なバックグラウンドや経験をお持ちの方ばかりです。そうした方を一律に「若手職員」と勝手にくくるつもりはありませんし、ましてや「君たちは皆〇〇が足らん」と決めつけるのは、相当傲慢なことではないでしょうか。私の今回の話は、就職して3年~10年未満ぐらいの方を想定したものですが、話した事柄のいくつかを既に実践できている方もいるのではないかと思います。
もし「〇〇が足りない」とかの話をするとしても、それは個々人の話になると思います。その場合、参加された方自身が、あるいはその近しい方々がより詳しく知るところですから、自分で考えてみる、周りの人に聞いてみるのが良いと思います。もちろん、「いや、それもあるけど中元に改めて聞きたい」ということでしたら、それはまた個々の方から個別にコンタクトをいただければと思います。
7.お話の中でロールモデルを作るように仰っておられましたが、中元さんのロールモデルとはどのようなものですか?
私の場合、外の機関に出向した経験、大学行政管理学会や大学マネジメント研究会のような大学横断型の組織との関わり、社会人としての大学院での学び、から得たものが大きいです。ですので、そうした関わりの中でお会いした様々な人をロールモデルとして位置付けていますが、自分の大学の中にもロールモデルとしている人もいます。
ロールモデルは一人である必要はありませんし、学内に限る、あるいは高等教育界に限る必要もありません。それまでの関わりの中で「この人のこんなことが自分でもできれば」と思えれば、ロールモデル(の一人)として位置付けていけばよいと思います。
8.様々な組織へ出向されていますが、出向先で得た知識は次の職場で自分の知識、バッググラウンドとして活かす以外に、大学側への還元を行うことはあるのでしょうか。(例:関係する部署との情報共有など)
これは個人の問題と言うよりも、組織の側の問題と言えるでしょう。私が出向していたある機関での他大学の話ですが、出向先で特定の分野の業務に従事し、出向が終わるとともに出向元の大学でその分野の部署を創設したという例があります。これはまさに組織としての意思があったから可能な話です。
そうしたことは出向の際のモチベーションにも関わってくる話です。例えば、あなたが出向するとして「うちの大学は将来、外部資金集めの専門部署を設置する予定だ、だから〇〇ファンディングエージェンシーに出向して頑張って欲しい、出向が終わって戻ってきたらその部署の事務室で頑張ってもらうからね」と言われたらどうでしょう。あるいは「よく分からんけど外で頑張ってきてくれ」と言われたらどうでしょう。全然気持ちの持ち方が違うのではないでしょうか。
そう考えると、出向や人事交流を行うということには、組織としての戦略が必要だと言えます。漫然と行うことは出向での様々なコスト・リスク(「出向先への適応」・「戻っての再適応」含め)がかかるばかりですので避けるべきでしょう。
以上です。
皆様にご記入いただいたアンケートの質問が、とても内容の濃いものが多く、
結果的に、記事を2つに分けて掲載するほどのボリュームとなりました!
今回の企画が、皆様の今後のキャリア形成に、少しでもお役に立つことができれば幸いです。
最後に、本企画にご参加いただきました皆様、
最後まで青年会企画にご協力いただきました中元様、
本当にありがとうございました!!
このご縁を一つの機会に、
今後とも大学職員として、一人の社会人として、
切磋琢磨できる絆を育んでいただければ幸いです。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。