15. 転職等を通じて、「環境がかわる」ことについて、ご自身の中でどのような変化が起こりましたか?困難に出くわした場合はどのように対応しましたか?




リクルートから学校法人に転職した際に、本当に価値観の違いに改めて驚きました。そもそもの組織の目的が違うからです。企業の設置目的と学校法人の設置目的が違うので、学校法人に所属してみて初めて理解ができました。環境が変わると気づきが多く自身の大きな成長に繋がります。また、転勤や異動も同様で、成長の大きなチャンスとなります。困難な時ほど、成長するチャンスととらえています。自分に超えられるレベルの壁しかこないものだと理解していますので、時間がかかっても逃げない様に努力してきました。辛い時ほど何かのメッセージだと捉え、前向きに自分を変えて成長を楽しんでください。




16. 寺裏さんのように、将来コンサルタントになりたいと思っています。(人材育成について大学にコンサルするイメージです)そのために20代の今のうちからやっておいた方が良い事があれば教えてください。




とにかくたくさんの経験をされることだと思います。また、学ぶことはたくさんありますので、貪欲に学んでください。私は、分野にとらわれず、1カ月に100冊以上の本を何年もかけて読み漁る期間を持ちました。宗教、哲学、科学、芸術、文学、ビジネス、経営、心理、医学、物理学、宇宙物理学、精神世界などなど・・・。不思議と共通点と高いレベルでの共通点の智慧が付きました。また、研修などは、貪欲に参加しました。自分への投資という意味では、多額のお金と時間を使いました。そして、論理的思考方法と説明能力を高める練習は必要と思います。これから10年の大学変革は、戦後最大と思います。ぜひ頑張ってください。




17. そのプレゼン技術をどのようにして修得されたのか、気になります。。。




単純に実施した数だと思います。プレゼンがうまくならないと仕事にならない場所にいたからだと思います。







みなさま、たくさんのご質問ありがとうございました。

また、ご回答をしていただきました寺裏様ありがとうございました。



この交流大会をきっかけに

大学職員としての新たな一歩を踏み出していただけますと幸いです。

今後とも大学職員青年会をよろしくお願いいたします。









8. 大学構成員である教職員のモチベーション(主体性)の向上が、未来を見据えた大学教育に必要になってくるだろうと思いながら、お話を聞いていました。グループワークの中で報酬(金銭)がないOCスタッフの方が、評価が高いとのお話があり、一方で発展途上国の子供達の方が金銭的な理由で学ぶ意欲が高いという話がありました。そこで質問ですが、満たされた日本を生きる日本人にとって、モチベーションを高める最も大きな要素とは何だと思われますか?(意図としては教員のモチベーションを高めたいと思っているのですが・・・)




マズローの欲求5段階で有名な説明があります。

人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が充たされると、より高次の階層の欲求を欲するというもの。

第一階層の「生理的欲求」は、生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、寝たいなど)で、この欲求を充たせれば、次の階層「安全欲求」を求めます。

「安全欲求」には、危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)という欲求が含まれます。

「安全欲求」を充たすと「社会的欲求」(集団に属したり、仲間が欲しくなったり)を求めます。この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなります。

ここまでの欲求は、外的に充たされたいという思いから出てくる欲求です。

そして次に「尊厳欲求(承認欲求)」(他者から認められたい、尊敬されたい)という欲求が芽生えます。ここからは外的なモノではなく、内的な心を充たしたいという欲求に変わります。

そして、最後に「自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)の欲求が生まれます。さらに自己超越という段階がその先にあります。

といものですが、発展途上国と違い日本は物質的にも満たされ、仕事をしなくとも食べられる社会です。社会的欲求以上の段階を欲している国家と思います。また、特に311以降、若者の意識が大きく変わって社会貢献で他者から認められたいという段階へと大きく移行したと思います。

教員のモチベーションという3の質問でもお応えしましたが、教員の欲求がどこにあるかということを確認しておく必要があります。現在の教員採用・認定基準が設置基準で決まっていますので、どうしても研究実績が高い教員が大学教員の多くを占めているのが現状です。研究に対するモチベーションは高いものがあるが、大学の運営、学生指導、授業などに対するモチベーションがないのが現状です。

しかし、教員も人ですので社会的欲求や、承認欲求もありますので、その部分をどう演出するかが重要かと思います。苦労した学生が成長し、謝恩会で感謝され、就職し感謝され、結婚式に呼ばれて感謝され、子供を連れてきて感謝されるという経験はされていますので、そこからくるモチベーションをより喚起する仕組みを大学の制度にしっかり入れていくことが重要と思います。つまり学生が先生に感謝をより多くできる仕組み創りです。




9. 人工知能や整った環境が整備された中で、その環境を当たり前としてとらえる。学生が卒業し、このような環境でない場所であっても、泥臭くまわりへの影響の輪を広げていくために、どのような教育スタンスをとればいいか悩みます。

便利になる世の中ですが、脳みそも使わなくなってしまいそうですが、人間にしかできなことは何かを問い続けたいです。

このあたり(「人間にしかできないこと」)へのお考えをお伺いできれば幸いです。




人口知能の進化がさらに進んだとき、人間にしかできないことは何か?考えさせられるテーマですね。様々な人が様々なことを言っていますが、私は、愛や友情や智慧や気づき、哲学的思考、宗教的な考え、芸術、音楽、喜び、信頼、支え合うなどの人間の良い面である部分がより必要とされると思います。これまでの作業的なもの、知識的なものは全てロボットなどに置き換わると思いますが、人口知能に最後までなしえないことは、「愛」的な部分と思います。したがって、学生には、人間性をより磨くように私は指導しています。戦争ではなく科学が最終的に人間の生存を目的として発展した場合、水、食糧、資源は、全地球民に均等に配分される社会へ進化すると思います。誰かより多く何かを得るために働く仕事はなくなると思います。仕事は、他者をより高次に成長させるための協働作業的な社会的な活動になり、喜びをより高めるような仕事になると思います。それが長い先だとしても、人間にしかできない人間らしいことが求められることは間違いないので、多国籍の他価値観の人々と協働作業をする仕事では、他者を理解し他者と協働して新たな価値を生み出す人財が求められると思います。




10. 日本の大学が、50年後、100年後と生き残るための戦略はずばり何でしょうか?




その大学に入学すると人材としての成長度が最も高まる教育ができる大学であり続けることだと思います。




11. コーチングやカウンセリング、ファシリテーターなどを学ぶにあたり、まずはどのような本や講座がオススメでしょうか。




特におすすめというものはありません。それぞれの流派ごとに良さがありますので。私の場合、何か新たなことを学ぶ際にしていることは、関連の本を10冊読み込むことにしています。そうしますと、自分の中に相場観ができ、ほとんど同じことを言っていることは共通したものとして身に付け、違いを吟味してこの内容が自分は良いと思うというように取り入れています。


12. 職員にも、教育する能力が必要でしょうか。私は教職などもとっていないため、”教育する”能力がありません。そういった方が、教育する能力を身につける為にはどうすればいいでしょうか。




大学の教員も教職をとって方がほとんどです。大学の職員が大学で教育している事例は多々あります。2019年から専門職大学が新たな大学として認可されていきますが、その場合も社会人や専門職の方々が大学で教鞭をとる形になると思います。したがって職員の方々も教壇に立たなくとも学校法人に所属している以上、学生を支援したり接する中で何か社会の先輩として教え成長させることが必要と思います。あなたが教育する能力がないことはありません。どんな人も先生です。全ての人がだれかに確実に影響し、その人の成長になっています。もっと言いますと学生から教わることのほうが多いくらいです。したがって自身が仕事を通じてより成長し、その経験や体験や得たことを学生に伝えること自体に価値があります。何より自分が自分らしく成長し続けることが重要だと思います。頑張ってください。




13. 大学の中で淘汰ゾーンに属する入試広報で働くものとして、今後の仕事に取り組む上でのモチベーション向上につながりました。数々の職員と会われた中で、仕事で成功を収める人に共通する特徴があれば教えていただきたいです。




長期レンジの視界で物事が見られて、情報を取得し、現状をしっかりと把握し、適切な危機感をもち、高い志を掲げ、大学をより良くしたいという情熱を持ち、その大学を愛し、学生の成長を信頼し、ビジョンを持って働いている人は、常に学び、行動し、失敗を反省につなげ、また学び好循環をしながら成長していかれます。ぜったいあきらめないことかと思います。




14. 改めて初心にかえれる貴重な機会になりました。寺裏さんは様々な職員と会われているかと思いますが、「コイツすごいな、印象に残ったな」という人がいれば教えてください。




個別のお名前は言えませんが、多数の尊敬できるすごい職員の方々と一緒に仕事をしてきました。13の質問にお応えしたような人です。また、日本に1000近くある私立の大学・短大や2000以上ある専修学校などを創設した人たちは、素晴らしい学校職員と思います。各大学の周年誌を読み感動します。また、若手の方でも優秀な方が多いと思います。学内にとらわれず、常に外部の接点をもち、大学の組織特有の闇に負けずに、変革と成長をし続けてください。













こんにちは。大学職員青年会の広報担当の平です。

927()に第9回全国アドミニストレーター交流大会を無事に終えました。



今回は交流大会で参加者の皆さまからいただいた講師寺裏氏への質問への回答をご紹介させていただきます。





1.OC等の学生スタッフは給料が発生しているところはレベルが低いとのことでしたが、そうでない大学のスタッフ運用事例等を教えてください。



学生スタッフの応募・採用方法は、アルバイトとして雇用するより無償のボランティアが良い成果をあげられます。無償のボランティアでも応募してくる学生のほうが主体性高く活動をしてくれるためです。 有償のアルバイトに応募する学生は、目的は、アルバイト代のため、与えられた役割しかしかしないことが多いのです。無償の学生スタッフであるが、応募者が多数出て、学生スタッフの活動後の満足度が高く、自身が成長したという経験を多数もたせるようにすることが大切です。 有償のアルバイトスタッフの応募を高める方法は、時給を高くすることですが、やる気や主体性が上がることはありません。既に学生スタッフを経験した先輩の満足度が高く、口コミや、学生スタッフが選ばれた存在である、スタッフをすると就職力が高くなる、成長できるという成果を上げることが重要です。学生スタッフがイキイキと楽しそうにかっこよく活動していると、その先輩に憧れた入学生が、また学生スタッフに応募するという好循環が生まれます。 学生スタッフは学内からも参加者からも憧れの存在というポジションを学内で醸成するように支援していきます。教職員から学生スタッフになるメリットをしっかり共有し、応募を促進するように声掛けなどを積極的に行います。 以上の取り組みが好循環していくと、素晴らしいオープンキャンパスが実施できると思います。





2.大学が行うべきマーケティングの具体的なノウハウがあれば教えて頂きたいです。学生が何を魅力に感じ、どのような目的を持って本学を選び通っているのか、職員が学生や教員とタッグを組んでいる事例があればうかがいたいです。





リクルートの進学センサスの結果によると、志望校検討時に最も重視するのは「学びたい学部・学科・コースがあること」です。

・志望校検討時の重視項目は、1位「学びたい学部・学科・コースがあること」(74.8%)、次いで「校風や雰囲気が良いこと」(47.5%)、「自分の興味や可能性が広げられること」(46.5 %)。

■男子は就職、女子は校風や雰囲気

・男女別にみると、男女とも1位は「学びたい学部・学科・コースがあること(男子70.0/女子78.6%)であるが、2位は男子が「就職に有利であること」(40.9%)、

女子は「校風や雰囲気が良いこと」(54.6%)となった。

進学センサスは、入試広報課などに問い合わせていただけるとリクルートから納品になっていると思いますのでぜひ参考ください。また、各大学では、通常マーケティング調査をして確認しているはずです。入学者調査、非入学者調査など多様なマーケティング方法があります。職員が学生とタッグを組んでいる事例は、上記にあるオープンキャンパスの運用が最も多く、成果も高いはずです。また、高校訪問時にその高校出身の在校生と一緒に訪問する方法などもあります。また、学園祭自体を在学生と協力してオープンキャンパス化するなど様々な取り組みがあります。





3. ・教員のモチベーション向上(学生指導)について

・教員と職員の連携のあり方についての考え方





教員のモチベーション向上で最も効果的と思われることは、謝恩会をしっかり仕立て、学生から教員への感謝の機会を創るということと思います。また、募集活動にも参加いただき、入試、導入教育、初年次ゼミ担当、担任、ゼミ研究室担当など継続的に4年間学生に接する機会を創ることも、モチベーションアップにつながります。学生との接点が増えれば、卒業後のつながりが増え、生涯の関係性が作れるからです。しかし、研究しか興味がなく、人材育成自体を面倒としか考えていない教員もいらっしゃいますので、その方は、研究に対するモチベーションが高まるように、科研費や産学連携の研究予算が獲得できるように職員として支援するとか授業のサポートをすることで授業負担を軽減するなどの方法が必要と思います。

また、職員と教員が協同作業をしていくうえで、教員の意識改革が必要です。一般的には、教員に対等に認めてもらうためにアドミニストレーターの修士号を取得する方も増えていますが、その観点以外でも一緒にプロジェクトと立ち上げ、しっかり教員をサポートできる仕事ができれば教員からの信頼も得られるため共同プロジェクトも活性化します。教員と職員は、大学の両輪なのでぜひ連携を頑張って下さい。





4. 学生数の多い大学や学部においては異なる価値観を持つ学生のモチベーションを上げることに対して難しく感じられます。何か良い事例やお考えがあればお聞きしたいです。





学生数に関わらず、教職員も学生も全ての人は価値観が違いますので、おっしゃるように同質の対応では立ち行かないと思います。規模に関わらず、どんな組み合わせにしようとも、学生をひとつの組織に入れると262の法則が成り立ちます。つまりモチベーション高く主体的に行動する2割の学生と普通の6割の学生、そしてなかなか動かない2割の学生。というように。全員のモチベーションを一律にあげることは不可能ですが、学生と協力することで全体を底上げすることは可能です。つまり上位2割の学生を巻き込み、6割を動かし、下の2割にも影響していくというものです。大学では、学年1000名程度の小規模大学で実現している例として、全員で学園祭や体育祭を創り上げるとか、オープンキャンパスを創り上げる、地元の産学連携を全員で取り組むなどの共同作業を演出できるとトップ2割の学生とともに全体のモチベーションを高めることは可能です。大規模大学の場合は、学科単位とか学部単位というように小分けした組織での小さな成功体験をまずは作り、横展開するという考え方が望ましいと思います。





5. 大規模な大学において学生一人一人と向き合うのは中々大変なことですが普段特に生活(現状)に困っていない中間層の学生たちにできる支援とは何か、寺裏様はどのようなことお考えになられていますか。





上記の回答と同様になりますが、学生を巻き込んだ支援が良いと思います。学生自身の主体的な活動の場としても有効ですし、大学全体の活性化のためにも有効と思います。学生の多くは、アルバイトなどを通じて主体性やコミュニケーション能力を高める場合が多いのですが、せつかく大学で使っている時間も有効活用し、大学での活動を職員が仕立てて多くの学生を巻き込めるようにすると大規模校での活性化は可能と思います。また、教員の意識改革が先ではありますが、授業そのものをアクティブに変えていくことで大学全体を変革することも可能です。同意いただける教員を探し、小さなことから始めるのが良いと思います。




6. ・「何にも興味が持てない」「何もやりたくない」という学生を主目的にさせるには、どのような声かけが効果的か。

・楽しくないこと(辛いこと、面倒臭いこと)はやりたくない学生を  動かすには。





・「何にも興味が持てない」「何もやりたくない」という学生は、「何かに興味をもつことで否定さるのではないか?興味を持っても自分はできないのではないか?」「何もやらないと失敗もしないから自分を否定しなくて済む」という根底的な自己否定や自信がないという自己肯定ができない潜在意識から来ていることが多いと思います。興味がないことはなく、時間はかかりますが、学生と信頼関係を築き、この職員は、自分をさらけ出しても否定されないとなって初めて傾聴することで興味を引き出すことができます。まずは、ありのままの学生を見つめて、認めてあげるコミュニケーションから始め、何か少しでも動き出したら小さな成功を見逃さずに誉めてあげる事から始めてください。その小さな成功体験からチャレンジの気持ちが上がってきます。自分ならできるという将来期待を持てるまで近くでしっかり、気長に支えてあげてください





7. 退学防止策が教学改革につながることの根拠が知りたい。





退学要因調査の結果の多くは、退学時の調査のため、その本質要因が特定できないことを多数見てきました。他の進路が見つかった、経済的要因などが調査上は出てきますが、本人の怠惰要因が隠れています。退学の最初のきっかけは、大学の導入教育の失敗や、友人づくりの失敗、授業のつまらなさ、高校とは違い、教職員との距離が遠く怠惰でも対応しない(学生の主体性にゆだねられている)などの要因が多いのです。教学改革とは、まさに現在よりも学生を成長させるための改革なので旧来型の教育をしているから退学が減らないことにもつながっています。教学改革の本質は、教員の意識改革、授業改革、教学組織改革、制度改革を行うことで、どの学生の成長も最大化することです。退学予防を起点とした教学改革が経営からも成果の数値化の観点からもとっくみやすいという理由から述べました。研修の時間では伝えきませんでした。