ここでは私の人生転落ぶり、、、、、、ではなく愛しのギターたちを紹介させていただきます。
現在の正妻や愛人だけではなく、既に私のもとを去った人たちも順次ご紹介させていただきますね。
ああ、決してコレクターになるまいと誓ったはずなのに、ロクに弾くこともなかった人たちも。
ごめんなさい。





第1回は、私にとって記念すべき最初の1本。
東海楽器のストラトキャスターのコピーモデルSilver Star SS36です。
SS36の名の通り定価は3万6000円で、当時のトーカイのストラトコピーモデルとしては再廉価なものです。ネックエンドに36の刻印があるので、すぐに値段がばれちゃいます。
再廉価モデルなので、ボディーは少なくとも5ピース以上の端材を合わせてあります。

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この価格帯ですがピックアップはトーカイオリジナルで、たしか上位モデルと同等品だったように記憶しています。
現在の廉価版ギターのピックアップはポールピースが磁石ではなく、ピックアップの裏面にバータイプの磁石が仕込まれている物が多いのですが、これはそれとは違ってポールピースもしっかり磁石です。



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写真では分かりにくいのですが、ヘッドも2ピースです。



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コピーも含め70年代ストラトの特徴である3点ジョイント。マイクロティルトも付いています。
本家フェンダーよりもネックポケットなどの精度は高く、実用上ネッックがぐらつく事もありませんでした。しかし、当時はその素晴らしさに気づいていませんでした。



当時、まだ洋楽を聞き始めたばかりの頃に、友人より『Rainbow』を教えてもらいました。
『Down to Earth』というアルバムでしたが、当時『Rainbow』のアルバムとしてはポップ過ぎると批判されていた様です。
しかし、私にとっては『リッチー ブラックモア』のヘヴィーなリフとクラシカルな速弾き、『グラハムボネット』の叫ぶ様なハイトーンのヴォーカルは十分にヘヴィーで、また衝撃的でした。
今から、思えば人生踏み外す最初の一歩であったと思われます。ああアレさえ聞かなければ。



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リッチーにのめり込んだ私は、分かりやすく彼と同じギターが欲しくなりました。
しかし当時ギターとベースの違いも分からなかった私は、雑誌の通販ギター(ミュージックライフの広告に載ってたトムソンだったかな?)の購入計画をたてます。

ギター本体と教則本や音叉、弦などの消耗品が付いて1万円位だったので、これならなんとか買えそうです。
すると前述の友人が「通販はやめとけ、最廉価でも『グレコ』『アリア』『フェルナンデス』などの一流メーカー品にしとかんと後悔するぞ」ってアドバイスくれました。

今から思えば、コピーメーカーを一流っていうのもどうかと思いますが、その友人はアリアのベースを持っていて、素人の私が見てもそれはカッコ良いい物だったので、彼と一緒に楽器店に行く事にしました。

楽器店(とはいえ、ダイエーの楽器コーナー)に行くと、沢山のストラトが並んでます。
しかし、ここには『アリア』『フェルナンデス』は置いてありませんでした。
特に『フェンダー』とロゴが似ていた『フェルナンデス』がなかったのには少しがっかりしましたが、憧れのストラトキャスターの実物を初めて見て、気分はかなり舞い上がっておりました。




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当時はスモールヘッドの存在も知らなかったくらいですから、もちろん細かい違いなんて分かりません。
とにかく一番安いギターを探します。おっ『グレコ』があった♫。う~ん、結構高いな。
一番安い奴は3万円ちょっとか。
そのギターはラウンドボードのローズネックでブラックのピックガード、ヘッドには『Tokai』とロゴがありました。
知らないメーカーだな。「なあ、トーカイってええの?」 友人に聞くと、一流だと返事がありました。

最初は『フェルナンデス』が欲しかったのと、パープル時代のリッチーと同じメイプルネック+白いピックガードが欲しかった私が悩んでいると、友人が「そんなの後から変える事が出来るから、いま買っちゃえよ」と耳元でささやきます。
「そうか、後から変える事が出来るんならいいかな」と、3万1500円くらいで販売されていたのを、500円値切って買ったのを覚えています。


その後、ピックガード+ピックアップカバー+セレクタースイッチ+ボリューム/トーンノブの交換と指板の張り替えは、当時の私には天文学的な費用がかかる事を知って愕然とする事になるのですが、、、、、。

ま、確かに嘘ではなかったかもしれんが、もう一本ギター買っておつりがくるやんけ。





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ある晩突然スキャロップ加工を思い立ち、始めてすぐに後悔するも後戻りは出来ず完遂。彫刻刀と紙ヤスリで3日かけて完成。ひどい出来上がりだったが本人はそれなりに満足していました。



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アームは何回も折ってしまったので、ノンオリジナルです。(オクターブあってませんね)



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これまたリッチーにやられて、ステージでギターを投げたため、結構キズがあります。









本当に当時のフェンダーは、触れる事もできないショウケースの向こう側の高嶺の花でした。
恐らく今なら300万くらいの感覚でしょうかね。

今は社会人だし為替の関係で当時よりもむしろ安くなった感もあり、フェンダーやギブソンが手が届くようになりました。そんな時に実家でこいつと再会したんです。
「昔別れた女房に思いがけず再会した」経験無いけどそんな感じでしょうか(笑)。


「昔はとっても好きだったけど、当時は他を知らなかったからなぁ」
「今弾いたら、ガッカリして昔の思いでが壊れちゃうかなぁ」など考えながら、ちょっとドキドキしてアンプにプラグイン。












すると、、、、、昔の記憶そのままの素晴らしい音がスピーカーから飛び出してくるじゃありませんか。








本家フェンダーとは若干ニュアンスが違うものの、本当に良い音がします。
当時よりアンプが良くなってるのもありますが、良い意味で期待を裏切られました。
当時の日本のコピーギターって本当にすごかったんですね。この値段でこのクオリティーじゃ「本家フェンダーも慌てて『フェンダージャパン』設立するわな」と納得です。
このギターはJapan Vintageと認識されていないかもしれませんが、それでも古い国産コピーモデルに対する認識を改めました。


皆さんも古い国産ギター弾く機会があったら感想教えてくださいね。