すっかりブログを放置状態で、気が付けば前回の更新から
2年以上も経ってしまいました。

この間、残念ながら活版修行についてはあまり進展がなく、
活字・活版について書くことは少ないのですが、
せっかくブログを開設しましたので、活版だけでなく、
製本や造本、また紙や印刷など、広く書籍全体について書く
ブログにしてみたく、新たに記事を書いていきたいと思います。

ブログ再開のご挨拶代わりに、最近造った本のご紹介を。



ユン・ドンジュという、韓国では有名な詩人さんの詩集
『空と風と星と詩』です。
数年前に岩波文庫でもこの詩人さんの詩集が発行されました。
文庫には日本語訳と、巻末にハングル版も収録されています。




こちらは韓国語のみ、表紙はかつて友人に頂いた韓国の
絹の巾着を解いて使いました。

裏表紙に紐を通し、本を巻く形で綴じ紐として使い、
先端に、これも友人にいただいた蝶の飾りをつけています。
紐を巻く時、解く時に蝶が舞うイメージです(笑)。

このような糸綴じの本は、日本や中国では4つの穴で
綴じるのが主流ですが、かの地では5つが主流で、
それを踏襲して5つ綴じにしています。




用紙にも韓国の紙、韓紙を使いたかったですが、
今回は入手ができず、薄手の和紙様のプリンタ用紙です。




本文はパソコンのプリンタ使用です。
こちらもハングルの活字を使いたいですが、
まだ入手できてきず、プリンタを使いました。
少し印字が薄いですが、まあまあの精度でプリントできています。

用紙やプリンタの設定を工夫すれば
さらに美しい印字ができると思います。

ハングルの活字が欲しく、いろいろ探して2か所ほど
あてがあるのですが、まだ入手できていません。
しばらくはパソコンでの作成になりそうです。






とはいえ、活字なら膨大な設備と資金が必要ですが、
個人でもまがりなりにもこのようなものが作成できるのですから、
すごい時代になったものです。




とりあえず本体を造りました。
表題は、布の表情を活かしてこのままにするか、
または題箋を貼るか考え中、
また奥付は、何か絵入りの蔵書票のような、
ゴム版または木版で作成して貼り付けようと考えています。

韓国語だけの書籍を日本人が造ったものとして
珍しいものではないでしょうか?

今のところ1部のみの超稀少品です(笑)
細部をもっと上手に造れるようになったら、
頒布も考えています。



今回は活字ではなくて、製本に関するお話しを。





自分で活字で印刷して、さらに自分で本を造ろうという

企画ですので、製本についても学び、また技術を身につけなければ

いけません。道のりは長い・・・




活版印刷修行顛末記




では突然ですが、ここで問題です。これは一体、何に使うものでしょうか?



今ではたぶんこんなモノを作って売っている業者さんはいないでしょう。

ただ、世間は広い。もしかしたら日本中にはいらっしゃるのかもしれませんが、

探している時間もない、ということで自作してみました。



材料は近くの100円ショップで調達、台は木製のハシ置きで、

両端にはクギを打ちつけてあります。

〆てお会計210円。クギは何十本のうちの2本しか使っていないので、

実質は100数円というところでしょうか。



プロが使うものとは少し形が違ってしまいましたが、

中間が凹んでいるのがむしろ使いやすく、実地に試してみましたが、

バッチリ!実用に使えました。



と、もったいぶりましたが、これは洋本、現在普通に売られている形の本用ではなく、

昔ながらの和本に使うもので、名前は「引型(ひきがた)」というようです。



と、さらにもったいぶって、正解はいずれ和本を造る際に、実際に使ってお目に



かけたいと思います。








 








って、検索でなんでも調べられるこの時代、すぐに答えはわかってしまうかな・・・?


















造りたい本のイメージに沿って、注文していた活字と、

活字の間を埋める込め物(こめもの)が届きました。






 





活版印刷修行顛末記











現在はパソコンで文字が組めますので、文字と文字の間は

単なるスキマですが、活字ではそうはいかず、そのスキマをも

埋める必要があり、そこを活字より高さの低い、つまり

インクがつかない、活字と同じ成分の金属の台で埋めていきます。



これにはその活字やスキマに大きさ応じて様々な大きさがあり、

むしろ活字よりも大きさの種類が多いです。



ちなみに、日本にはいまでも活字を一本から、または

大きさによって数本から売ってくれるお店があるのを

ご存知ですか?



世界広しと言えども、いまだに活字が一本から買える店が

ある国はそうそう多くないと思い、日本の文化の高さ、

幅の広さがこのひとつとってもわかりますね。



しかも、直接お店に出向かずとも、ファックスまたは

メールで欲しい文字を記載して、銀行決済で

送ってもらえます。早ければ注文して翌日、翌々日には

届きますよ。なんて便利な時代でしょうか!?



しかも、長年培った実務のご実績がおありなので、

活字の様々なことに相談も乗ってもらえます。



今回の注文も、ある特殊な用途の活字をお訊ねし、

そのものの在庫はなかったのですが、いとも簡単に

代替のご教示を二通りいただき、

用途に適うものを入手することができました。



お店になんらかのご迷惑がかかるかもしれませんので、

ここには店名は書きませんが、直接ご連絡くださった方には

こっそり(?)と、店名や詳しい注文の方法など

お教えしたいと思います。