ひとつの思い出 | Sono's

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 昨夜、薄暗い部屋でソファーに座ってゆったりとし気持ちで次々と流れてくる生演奏の音楽を
聞いていたところ,ものすごくいい曲が聞こえてきた。それがStingの曲だということだけ分かったが、
タイトルが分からない。もう一度聞きたい、と思い、Stingの曲を次々と聞いてみることにした。
昨夜1回だけ聞いた曲のメロディーを覚えていないのだから見つけるのは無理だと分かっていたが、
覚えていなくても、「あ、いい曲だな」と感じたら、それがその曲である可能性が高いし、
また、違っていても、それはそれでいいような気がした。

 学生の頃、小さなラジカセを買ってきて寮の薄暗い部屋の机の上に置いておき、いつもラジオをつけて、
音楽を流しながら勉強していた。そして、好みの曲が流れてきたら、さっとラジカセのボタンを押して
テープに録音した。それを毎日繰り返していると「好みの曲ばかり入っているオリジナルテープ」が
出来上がる。それをウォークマンに入れて歩きながらよく聞いた。このオリジナルテープは好みの
曲しか入っていない最高に良いテープなのだが、最大の欠点は、その好みの曲たちのアーティスト名と
タイトルが分からないことであった。

 昨夜のStingの曲のタイトルを知りたくて、次々とStingの曲を聞いていると「あ! この曲は!」
オリジナルテープに入っていたのだ。それは" If I Ever Lose My Faith In You "だった。
この曲がStingの" If I Ever Lose My Faith In You "だとは今まで知らず今日初めて知った。
聞いていると、今日のように寒い冬のここから遥か遠くにある大学の寮の部屋へと私は連れていかれた。
あの部屋で私はStingを聞いていて、20年後、ソファーに座って薄暗い部屋でまたStingを聞いていた。
20年前と昨夜のことが重なり合って私の中で1つの思い出になった。