自分の体を自己診断してトラブル無く過ごしていると自分が知る昔の治療法が現代ではどれくらい進歩しているか調べたのですが、
30年
進歩無し!
まぁ、昔から耳鼻科医は団結力が無く他の科が集団で厚生省に『診療報酬を上げろ』と交渉して成果を得ても耳鼻咽喉科学会は動いて無かったから予算が無いのでしょう。
大学講師をしていた医師が開業した時に手伝いに行ったのですが一日の診療を終えレジを閉めた時のため息は今でも忘れられません。
そして、昔を思い出しているのですが最初に思い出すのは『飛んでもないバカ患者』。
彼は激しい目眩に襲われ救急搬送され私が聴力検査をすると低音域が低下し一番にメニエール病の疑いが浮かびました。
ちなみにメニエール病とは内リンパ水腫。
平衡機能の神経を解りやすく説明すると御椀と味噌汁です。
御椀を回転させても中の具と汁は動きません。
御椀から伸びる毛の形をした神経細胞が味噌汁の流れを感じて自分の回転方向を脳に伝えます。
もっとちなみに、私が損傷した耳石は神経細胞の毛の先に石が付いていて体を傾けると毛が傾き体の傾斜を脳に伝えています。
この両神経は味噌汁では無くリンパ液が流れているのですが水分が多くなるとリンパ液の中に水腫が発生し毛の神経を圧迫してしまい脳に『自分は回転している』と間違えた情報を送ってしまいます。
そして、リンパ液の圧力が上がって低音域の聴力に障害が発生します。
検査を終えるとカルテに『内リンパ球水腫疑い』と病名が記入され治療が始まりました。
治療法は利尿剤やグリセリンを投与して体を脱水状態にして水泡を消滅させるのですが一度発生した水腫を消滅させるのは難しく、可能な限り小さくして完治となります。
その後は症状が治まり普段の生活に戻ったとしても自己管理して水分をコントロールする必要が有ります。
その患者も1週間の入院治療を行い症状も治まり退院したのですが
3時間後
その患者が救急搬送されて来ました。
担当医と救急外来に行くと激しい目眩を訴えながら嘔吐。
嘔吐物からはアルコールの臭いも…。
問診を行うと
「一人で退院祝いをしに居酒屋に入りました」
退院時に水分摂取量の指導を受けたにも関わらずジョッキ3杯を一気に飲んだそうです。
そして、また1週間の入院。
そして再び、強く水分摂取量の指導を行い退院しましたが翌朝出勤すると朝一番の検査に彼の名前が…。
「仲間が退院祝いをしてくれて断れずに飲まされました」
そして担当医の一言
「次の治療は高温サウナに2時間閉じ込めますよ」
そして私
「サウナの後は飲みたくなるから炎天下の屋上に縛り付けてミイラにしましょう」
担当医
「自分で治す気が無いなら。マジ、やるぞ」
患者は青くなり
「これからは気をつけてます」
昔は楽しかった。
私は観ていませんがドラマ『不適切にもほどかある』は、こんな感じでしょうか?
今ではこんな発言をしたら大問題です。
そんなバカ患者を思い出しながら今日のランチ。