稲原駅【和歌山県】(紀勢本線【きのくに線】。2021年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
和歌山県中部、印南町北部内陸山間の印南川の谷に広がる小さな集落に位置する紀勢本線【愛称:きのくに線】の駅で、古びた木造駅舎が残っている、
稲原駅 (いなはらえき。Inahara Station) です。
 
  
駅名  
稲原駅 (駅番号なし)  
  
所在地  
和歌山県日高郡印南町  
  
乗車可能路線  
JR西日本:紀勢本線 【愛称:きのくに線】  
 
隣の駅  
新宮方・亀山方……………印南駅  
和歌山方・和歌山市方……和佐駅  
 
訪問・撮影時  
2021年8月  
 
 

稲原駅は地平駅で、南東側に駅舎・出入口があります。北西側に駅舎・出入口はありません。
北西側から駅へアクセスするには約100m北東の跨線橋(バリアフリー非対応)、約300m北東の陸橋、約450m南西のガード、いずれかを通って南東側へ回る必要があります。
駅舎は木造平屋建てで、1930年(昭和5年)12月の開業時から使用され続けています。老朽化が目立っていて、今後が心配です。
出入口は段差が解消されています。出入口前には郵便ポストと電話ボックスがあり、左側には大きな木があります。
駅舎の右手にある小さな蔵のような小屋はトイレで、多機能トイレが併設されています。トイレの手前には無料駐輪場があります。
駅前広場はありませんが、送迎車両が一時駐車可能なスペースが確保されています。
また、駅前には御坊南海バス日裏線の稲原駅停留所が設置されています。
写真は北西を望む。
 
 

 

駅前です。上写真は左の駅舎前より北東を、下写真は右の駅舎前より南西を望む。
線路に並行して延びる駅前道路(旧県道28号線)沿いには小さな集落が形成されています。駅前に喫茶店は見られるものの、他に商店はありません。集落の南東側、印南川沿いの田園地帯に県道28号線が通っています。
また、線路や県道の左右には山並みが連なっていて、平地は印南川に沿う形で概ね南北方向に細長く延びています。
 
一方、駅舎と反対側の駅北西側は民家が少なく、山あいに田園が広がっています。そして、駅周辺の山地の斜面にはミカン畑(?)が広がっています。
 
 

駅舎内の様子です。出入口より北西を望む。
稲原駅は無人駅です(1985年無人化)。左側の窓口はシャッターが閉ざされています。インターホンはありません。
また、駅舎内右側(北東側)は待合室として利用されていて、ベンチがあります。
改札設備は『ICOCA』などの交通系ICカード用の簡易改札機および改札を通って右側にあるきっぷ回収箱くらいです。自動券売機や乗車駅証明書発行機はありません。稲原駅ではICカードのチャージができませんので当駅をご訪問の際は事前にチャージして十分な残高にしておいて下さい。
また、ICカード以外の乗車券につきましては車内収受方式が採用されているため、ワンマン列車の場合、乗車時は車内の整理券を受け取り、降車時は運転士に運賃を支払います(またはきっぷを渡します)。車掌乗務列車の場合は車掌からきっぷをお求め下さい。
改札口は車いす通行可能な幅になっています。
そして駅舎を出て正面の階段および右側のスロープを登ると上り新宮方面・亀山方面1番のりばです。
1番のりばに出て右へ進むと、上り和歌山・和歌山市方面2番のりばに通じる跨線橋があります(階段のみ)。
駅舎内と1番のりばの間に段差はありませんが(但し、スロープは傾斜が急で手すりがありませんので介助が必要です)、2番のりばへは車いすですと全く自力で移動できません。車いすで稲原駅をご利用の場合は、事前にJR西日本へお問い合わせ下さい。
トイレは駅舎を出て北東側にあります(多機能トイレ併設)。
尚、稲原駅前に売店・コンビニはありません。1km圏内に全くありませんので要注意です(飲料自動販売機は駅前にあります)。
 
 

上り1番のりばに設置されている建植式の駅名標です。電照式ではありませんが、反射板を使用しています。
JR西日本の標準デザインで、下部は「きのくに線」のラインカラーであるアクアマリンではなくJR西日本のコーポレートカラーである青に塗られています。
稲原駅に駅ナンバリングは導入されていません。
また、駅名標が老朽化しており、下部のカラー部分は更新されていますが、ローマ字部分は損傷が激しいです。
 
 

 

稲原駅は相対式ホーム2面2線の地平構造で、概ね南西~北東方向にホームが延びています。ホームはカーブを描いています。
左(南東)が1番のりばで上り紀伊田辺・新宮・亀山方面、右(北西)が2番のりばで下り御坊・和歌山・和歌山市方面です。
1番のりばから見て2番のりばは新宮方(奥)へずれています。
各ホームともホーム有効長は6両分(20m車7両分)ですが、1番のりばの和歌山市方の端(後方)には改札外跨線橋の橋脚があるため立入禁止になっています。ホーム幅は狭いです。
上屋は全く設置されていません。2番のりばにある待合所の屋根は線路際まで届いていませんので、雨天時に乗降の際は傘が必要です。
2番のりばは待合所にベンチがあります。1番のりばにはベンチがありませんが、列車到着直前まで駅舎内のベンチを利用可能です。
そして1番のりば中ほどに面して駅舎があり、1番のりばとは階段(下写真左前方)とスロープ(下写真左)で結ばれています。駅舎より和歌山市方(手前側)には両ホームを結ぶ跨線橋があります(階段のみ)。
写真は2枚とも1番のりばより新宮方・亀山方を望む。
 
 

こちらは2番のりばより和歌山方・和歌山市方を望む。
右から1番のりば、2番のりばの順です。
右奥の跨線橋手前に駅舎があります。木々により見えませんがw  
  
  

2番のりばより新宮方・亀山方を望む。
この先、山間部を南南東へ進んですぐに滝の口トンネルに入りますが、単線時代はトンネル手前で左へカーブして山を避けていました。旧線跡は現在、県道28号線に転用されています。そしてトンネルを抜けると旧線跡と合流し、以後は何度も印南川を渡りながら谷間に広がる農村風景の中を南下します。そして周囲が開けてきて、きのくに線の脅威である阪和自動車道をアンダーパスして大きく左へカーブすると印南駅へと至ります。
 
 

1番のりばより和歌山方・和歌山市方を望む。前方に改札外跨線橋があります。
この先、大きく左へカーブしながら稲原地区の中心部を走り、やがて民家が減少すると山奥を北西へ走るようになります。そして左へカーブすると直線で進む上り線と分かれ、これより先は別線線増区間に入ります。山深い中を走ると短いトンネルの次にやや長い柿ノ木トンネルをくぐり、日高川町に入ります。後から造られた上り線は新柿ノ木トンネルで直線的に山間部を抜けています。トンネルを出ると上り線と合流し、少しずつ開けてきて左手には田園地帯と日高川の土手が見えてきます。そして最後は右手に住宅地を見ながら大きく右へカーブして進路を北東に取ると和佐駅へと至ります。印南~稲原~和佐間は283系の振り子機能が大いに活躍する区間と思われます。
 
 
あとがき  
私が稲原駅で下車(乗車)したのは2021年の1度きりです。紀勢本線を乗り鉄した際に下車しました。複線区間にある2面2線の駅で、開業時からの木造駅舎が今も使用されていますが、他の駅の木造駅舎が次々と解体される中、稲原駅も予断を許さない状況です。駅前は小さな集落が広がっていて、周辺にはこれといったランドマークがありません。
 
東京からですと東海道新幹線で新大阪駅まで行き、きのくに線特急『くろしお』の白浜行きまたは新宮行きに乗り換えて御坊駅で下車。さらに紀伊田辺方面の普通列車に乗り換えて当駅下車です。若干タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です(最大滞在時間:約6時間半)。
一方、大阪からですと新大阪駅または天王寺駅から特急『くろしお』の白浜行きまたは新宮行きに乗り、上記のルートで到達できます。少々時間がかかりますが、快速列車や普通列車の乗継でもOKです。余裕で日帰り訪問可能です(最大滞在時間:13時間弱)。
(飛行機でのアクセスは考慮していません) 
  
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店は一切ありません。必ず事前に用意して下さい。
 
東京、大阪とも到達難易度が高いですが、紀勢本線【きのくに線】を乗り鉄の際は、ぜひ一度は稲原駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:地理院地図、Google地図、Wikipedia)