高野山駅【和歌山県】(南海鋼索線【高野山ケーブル】。2009年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
和歌山県高野町の、標高867mの山中に位置する南海鋼索線【高野山ケーブル】の山頂駅で、駅前には何もなく、事実上、高野町中心部へ向かうバスとの乗換駅として機能している、
高野山駅 (こうやさんえき。KOYASAN Station) です。
 
尚、写真は2009年訪問時のもので古く、現在は駅舎や車両が変化しています。ご了承下さい。
 
 
駅名
高野山駅 (NK 87)
 
所在地
和歌山県伊都郡高野町  
 
乗車可能路線
南海電気鉄道:鋼索線【高野山ケーブル】  
 
隣の駅
山麓方……極楽橋駅  
 
訪問・撮影時
2009年3月
 
 

高野山駅は高野山ケーブルカーの山頂駅に相当し、終端部に駅舎があります。
駅舎は1930年(昭和5年)の開業当初からのもので、レトロな2階建てです(木造)。Wikipediaの本文を引用すると「洋風建築を基調とする外観で、高野山の玄関駅らしい頂上に宝珠を載せるなど寺院風の宝形造の屋根を持つ」との事です。1階に改札口があり、2階に待合室があります。尚、2015年にリニューアルされ、見た目が多少変わっています。
1階は入口と出口が分離されていて、左側が入口、右側が出口です。出入口に段差はありません。
駅前広場がありますが、南海の私有地で、一般車は広場手前までしか入れません。広場にはバスターミナルとタクシー乗り場が設けられていますが、
ここからは高野山一帯(高野町中心部など)へ向かう路線バスが出ています。
写真は北東を望む。
 
 

また、駅前広場はバスの車庫を兼ねています。
南海のバスはこの先、左奥に延びるバス専用道を通って高野町の中心部を目指しますが。この道路を一般車両や歩行者が通る事はできず、右側へ延びる道路へ迂回する必要があります。
写真は南西を望む。後方に高野山駅があります。
 
 
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駅前です。北西を望む。右手に高野山駅があります。
前方に延びる道路は一般道です。バスに乗らずに高野町の中心部へ行くにはこの道路を通る事になりますが、金剛峯寺まで4.5kmほどと遠回りになります。バス利用ですと約3km、10分ほどで金剛峯寺に到達しますので、バス利用が圧倒的に便利です。
また、高野山駅も山麓の極楽橋駅と同様に乗換に特化した駅なので、駅前にははっきり言って何もありません。民家は存在せず、商店も一般道の入口右側に1軒あるのみです。
 
 

入場専用改札口(入口)です。北東を望む。後方に出入口があります。右側には後述の出場専用改札口と2階への階段があります。
ケーブルカーの駅では珍しく自動改札機が設置されています。しかも交通系ICカード『PiTaPa』などに対応しています。
幅広通路はありません。車いすの場合は乗車時も出口改札を利用する事になります。
ちなみに自動券売機はありません。左側に出札窓口があり、ICカードチャージもそちらで行います。窓口では『こうや』の特急券も購入可能です。
トイレ・多機能トイレは右側、出口改札方面にあります(改札外にあります。改札内にはありません)。
そして改札を通って階段を下ると乗車ホームです。
また、左手前には売店「nasco(ナスコ)」があります(営業時間・10:00~16:00)。改札内に売店はありません。
 
 

こちらは出場専用改札口(出口)です。北東を望む。後方に出入口があり、左側に前述の入場専用改札口と2階への階段があります。
自動改札機と改札ラッチが設置されています。中央には車いす用の出入口通路があります(入場の際は駅員にその旨をお伝え下さい)。
また、自動精算機はありません。改札の先の右側に精算窓口があります。
改札の先、左側は降車ホームから階段が延びています。
正面にはエレベーター行きの通路があります。エレベーターは降車ホーム山麓方に繋がっています。
右側にはトイレと多機能トイレがあり、後方の出入口前には2階待合室行きのエレベーターが設置されています。 
 
 

駅名標です。行灯式です。
2009年時点でも旧態依然としたデザインのものが使用されていました。
現在は駅がリニューアルされており、また駅ナンバリング「NK 87」も導入されているので駅名標が一新されている可能性があります。
 
 

 


高野山駅は頭端式ホーム2面1線で、ケーブルカーでは標準的な構造です。北東~南西方向にホームが延びています。
ホームは乗降分離されています。番線は設定されておらず、左側(南東)が降車ホームおよび車いす用乗降ホーム、右側(北西)が乗車専用ホームです。
そしてホームは階段状になっています。ホーム幅はそこそこありますが、繁忙期用に設置された、乗車待ちの列を作るため&危険防止用の柵があるため狭く感じます。
ホームと線路の全体が屋根に覆われています。
また、左側の塔のような構造物はエレベーターです。降車ホーム側にしかありません。
ちなみに車両の車いす用出入口は一番山麓方に設置されています。車いす用乗車口とエレベーターのりばの間に段差はありません。
エレベーターの上階は出場用改札口と繋がっていますが、車いすの場合は乗車時はこのルートを逆に進む事になります。
写真は終端方を望む。2枚とも車内より撮影。
 
 

車内より山麓方(極楽橋駅方)を望む。高野山駅は標高867mです。前方に見えるのは極楽橋駅の北東側(反対側)にそびえる山々です。
この先、左へ右へカーブしながら急勾配で山を下り、約0.8km北北東、標高539mの極楽橋駅へと至ります。0.8kmで一気に328mを下ります。極楽橋駅では改札を出ずに高野線へ乗換可能で、高野線ケーブルのダイヤは高野線列車との接続を最重視しています。
ちなみに、ケーブルカーは広義の電車に含まれますが、架線から集電しているのは照明などのサービス電源です。ケーブル巻き取り装置のモーターは山頂駅(高野山駅)にあります。
 
 

乗車ホームより終端方を望む。
右が乗車ホーム、左が降車ホームで、階段を登った先には入場用改札口(右)と出場用改札口(左)があります。
また、線路終端部・車止めの先、上部には運転室があり、その下にモーターがあります。
ケーブルカーの運転士は車内ではなく山頂駅に配置されています。
 
 
あとがき
私が高野山駅で下車(乗車)したのは2001年、2009年の計2度です。2001年は南海鋼索線の乗りつぶしのため、2009年は南海鋼索線の車窓風景撮影のため、いずれも終着駅ゆえ必然的に下車(乗車)しました。高野山の厳かな雰囲気が出ている駅で、レトロな感じながらもエレベーターが導入されたり、今は車両が更新されたり、進化をし続けている駅でもあります。私の訪問時はいずれも平日または閑散期だったため、利用者がさほど多くなくひっそりとしていました。駅前には民家も商店もなく、また高野山(高野町の中心部)へ行くには原則としてバスに乗り換えなければなりません(近道であるバス専用道路は歩行者進入禁止です)。
 
東京からですと東海道新幹線で新大阪駅まで行き、Osaka Metro御堂筋線に乗り換えてなんば駅で下車。そして隣接する南海の難波駅から南海高野線の特急『こうや』・快速急行・急行の極楽橋行きに乗車して終点の極楽橋駅で下車ですが、極楽橋行きがない場合は特急・快急・急行で橋本駅まで行って各停・極楽橋行きにお乗り換え下さい(特急は別途料金が必要)。極楽橋駅ではさらに高野山ケーブルカーに乗り継いで終点の高野山駅下車です。高野山行きのケーブルカーは極楽橋行き電車に接続していますので、乗り遅れない限りは長時間待ちする事はありません。じゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間:8時間少々)。高野山の観光も十分可能です。
一方、大阪からですと難波駅から上記のルートで到達できます。余裕で日帰り訪問可能です(最大滞在時間:14時間少々)。
 
食料・飲料について、駅改札外に売店があるものの、コンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありません(駅前に飲食店が1軒あります)。バスで高野町中心部まで行けばコンビニや参拝客・観光客向けの店舗・飲食店があります。高野山駅で引き返す場合は事前に用意しておいた方が無難です。
  
東京からの到達難易度はやや高いですが、
南海鋼索線(高野山ケーブル)を乗り鉄の際は、ぜひ一度は高野山駅も観察されてみて下さい!
そして、高野山へお出かけの際はぜひ南海電車をご利用になり、高野山駅も観察されてみて下さい!
 
(参考:南海電気鉄道のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)