播磨下里駅【兵庫県】(北条鉄道北条線。2018年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県加西市西部に広がる田園風景の中に位置する転換第三セクター鉄道・北条鉄道北条線の駅で、1918年に建てられた駅舎が現役で使用されている、
播磨下里駅 (はりましもさとえき。Harimashimosato Station) です。
 
 
駅名
播磨下里駅 (駅番号なし)
 
所在地
兵庫県加西市 
 
乗車可能路線
北条鉄道:北条線  
  
隣の駅
粟生方………法華口駅  
北条町方……長駅  
 
訪問・撮影時 
2018年10月  
  
 

播磨下里駅は地平駅で、北側の北条町方に駅舎があります。
開業翌年の1918年に建てられた木造駅舎のはずですが、調べると2016年に改築されたとの事です。
改築とは旧駅舎を解体して同じような駅舎を建て直したのか、旧駅舎をリニューアルしたのか、どちらを指しているのか分かりませんが、いずれにしても昔の雰囲気は感じられます。
ちなみに駅舎とホームは2014年に登録有形文化財に登録されています。
駅舎はホームと同じ高さにあり、駅外との間に段差が生じています。階段しかありませんが、駅舎の向こう側に段差なしでホームに出入りできる通路があり、バリアフリーに対応しています。
出入口前には飲料自動販売機と電話ボックスがあります。左側には無料駐輪場があります。
尚、播磨下里駅に駅前広場はありません。バス停留所は南側約100mの県道43号線沿いに設けられています。
写真は南東を望む。
 
 

駅前です。北を望む。後方に駅舎があります。
周辺は田園が混在した住宅地が広がっています。商店は見られません。
また、駅南側には善防山が、西側には笠松山がそびえており、二つの山の間の谷には古法華寺と古法華自然公園があります(駅から約2.2km)。
 
 

駅舎内です。後方に駅外との出入口が、右手にホームとの出入口があります。
播磨下里駅は無人駅ですが、窓口跡は残されています。尚、北条鉄道線は車内精算方式で、駅に改札設備、発券設備はありません。
窓口の右側にある扉の向こう側は待合室です。
トイレはホーム沿いに設置されていて、車いす用トイレも併設されています。
ちなみに、播磨下里駅にコンビニはありませんのでご注意下さい。
 
 

待合室にて。コンコースとを結ぶ扉付近にて撮影。
以前は駅事務室でしたが、現在は待合室になっています。空調完備です。駅ノートも置かれています。
Wikipediaの本文を引用すると、
「基本的には無人駅だが、特定の日を寺院「下里庵」として駅事務室を開放しており、この日に限って管理を受託している住職がボランティア駅長として、乗車券の臨時委託発売を行う。2006年(平成18年)北条鉄道公募により、鉄道趣味のある僧侶がボランティア駅長として駅と寺院を合体した下里庵を開設した。その他下里庵では、お絵描き教室も開催されている」
との事です。「下里庵」は毎月2回開扉されていて、その際はこの待合室を使用さいます。
「下里庵」では住職による読経も行われます。
 
 

建植式駅名標です。電照式ではありません。
北条鉄道の旧タイプで、国鉄型をアレンジしたデザインです。
仕切りの線には開業当初の車両であるフラワ1985形の帯と同じカラーリングが使用されています。
また、右下には加西市のゆるキャラ「ねっぴ~(ねっぴー)」と、地元の伝説に登場する「根日女」の絵が描かれています。
尚、北条線には駅ナンバリングが導入されていません。
 
 

こちらは駅舎側壁に設置されている旧駅名標です。
国鉄時代から上書きされながら使用されているため、昔の右書き文字が浮き出ています。
 
 

播磨下里駅は単式ホーム1面1線の地平構造で、南東~北西方向にホームが延びています。
下り北条町行き、上り粟生方面とも同じホームから発車しますので、乗り間違いに注意が必要です。
ホーム有効長は2両分で、ホーム幅は結構狭いです。
右前方にはホーム跡があり、かつては2面2線だったと思われます。ホーム跡は旅客用だったのか、貨物用だったのか、不明です。
そのホーム跡の前には8キロポストがあります。粟生駅からちょうど8kmです。
上屋は手前の北条町寄り、駅舎に面したわずかな部分にしかありません。雨天時に下車される際は注意が必要です。
ホームにはベンチがあります。駅舎の向こう側にはホームに面してトイレと車いす用トイレがあります。
写真は粟生方を望む。
 
 

こちらは北条町方を望む。奥側に駅舎があり、手前にトイレと車いす用トイレがあります。
車いす用トイレの手前には、駅外とホームを結ぶ段差のない車いす用通路があります。
左にはホーム跡がありますが、こちらのホームから見るとホーム跡は粟生方(手前側)にずれた位置にあります。
また、手前側には小さな石庭があり、石碑や種田山頭火の俳句を載せた看板が石庭内に設置されています。
 
 

粟生方を望む。ホーム跡はもう少し先まで延びています。
この先、右手に山並みを眺めながら田園風景の中を南東へ走り、しばらくして右へカーブすると2020年に交換設備が復活した法華口駅へと至ります。
 
 

北条町方を望む。右後方に駅舎があります。
この先、県道43号線と交差して、左手に山並みを眺めながら田園風景の中を南西へ走ります。その後は右へカーブして、進路を北北西に変えると古い駅舎が残る長駅(おさえき)へと至ります。
 
 
あとがき
私が播磨下里駅で下車(乗車)したのは2018年の1度きりです。それ以前に北条鉄道を乗り鉄した際は通過しただけでした。兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年全駅制覇)。古い駅舎が残っていました。駅前は民家も少なく、田園風景が広がっていましたが、南西側を見ると近くまで山が迫っています。
  
東京からですと東海道新幹線で新大阪駅まで行き、JR神戸線方面の下り新快速に乗り換えて加古川駅まで行きます。そして加古川線に乗り換えて(厄神行きを除く)粟生駅まで行き、さらに北条鉄道北条線に乗り継いで当駅下車です。加古川線と北条線は毎時1本しかありませんので事前に時刻をご確認下さい(粟生駅での乗換はスムーズにできます)。若干タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですとJR神戸線の新快速で加古川駅まで行き、以降は上記のルートで到達可能です。神戸電鉄粟生線経由のルートは時間を要しますが、こちらも見所の多いローカル線なのでアクセス利用をお勧めします。じゅうぶん日帰り訪問できます。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店は全くありません。必ず事前に用意して下さい。
 
東京からの到達難易度はやや高いですが、北条鉄道北条線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は播磨下里駅で下車されてみて下さい!
 
(参考:北条鉄道のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)