毎年 この時期になると届く旨きものがある。ありがとうございましたHIさん。

演題「古代を遊ぶ」が最初の出会いだった。もう25年になりますかなぁ。

それから毎年「かぶら寿司」が届くのを 楽しみするようになった。

同年齢、互いに元気に頑張っていくことにしましょうや。

 

やっぱり これには日本酒だよな。

【五万石のかぶら寿司】

 

半裁カブの中にブリの切り身、細切り人参を表に混ぜ、麹で発酵させた「かぶら寿司」

日本に定着しているなれずし文化のなかでも 実に美味しい逸品だ。

 

   

    【ブリの切り身はこのように挟まれている】  【荏胡麻の葉で巻いて食べても旨い】 

 

来るか来ないか 酒飲み友達を待ちながら こんな拙歌を作ってみた。

  

 友呼(ともよ)ぶに  独り吞み居(お)る  待酒(まちざけ)の  

                 かぶら寿司肴(あ)て  やや急ぎ来し …………俊介

 

  ※友を呼んで 盃を交そうと思ったが、なかなか来ないので「待ち酒」となったよ、

   独り呑んでいる内に 肴のかぶら寿司が無くなるぞ、少し急いで来いよ。

 

万葉歌ではないので 歌意は大体お解りだったとおもいます。

 

「待ち酒」という言葉は 日本にしかない。心のうちが実に見事に表現されている。

俺も かぶら寿司も 酒も 荏胡麻も、お前たちを待ってるんだぞ。

こんな意識が「待ち酒」には含まれている。

 

いくら装っても 哀れな現実主義の日本人には、この感覚と日本語意識が判らない。

アメリカナイズされた低次元精神の日本人が増えすぎた。

人を慈しむ本物の愛も知らずに 愛という言葉が氾濫し過ぎているのも その一例だ。

 

おっとイカン、美味なるかぶら寿司を悲しませてはなるまい。