【9/18,6時08分 日の出】

 

歳を経た独り暮らしには、一日無言なんてことはザラにある。

しかし無言でも、執筆・資料作り・構想等々、何らかの形で心頭は活動している。

 

一方、人間には必ず[感情の波]というものがある。

殊に女性に多いというが、男女限らず誰にでも存在する。

やることもなく 唯一人 無言の夜が長く続くと、空虚・寂寥に襲われることもある。

〖虚無の中に留まるべからず 己の感情と向き合い整理しろ〗

明日を切り開く力は、そんな経験を幾度も乗り越えた者に強い。そして良き友との巡り合いもある。


『史記-管仲伝』にこんな話がある。

BC7世紀、古代中国春秋時代の事である。現在の山東省を支配した[斉](せい)という国( BC1046 - BC221)に、管仲(かんちゅう)鮑叔(ほうしゅく)という二人の友がいた。二人で商売しても管仲は自分の取り分を多くする。だが鮑叔は決してそれを責めなかった。管仲が老いた母を抱えて貧しい暮らしをしているのを、鮑叔はよく知っていたからだ。その後内乱が勃発し、鮑叔の仕えた主人は勝利して[斉]の君主に即位し桓公と名乗り、鮑叔は宰相(さいしょう=総理大臣)となった。しかし[魯](ろ)に亡命した管仲の主人は殺され、管仲も罪人として囚われの身となり死を覚悟した。

しかし、友である菅仲の才覚を知っている鮑叔は、君主桓公に、

「あなたが斉の君主だけでなく天下の覇者になりたいのならば、管仲を宰相にしなけ 

 れば不可能です」

と進言した。そこで桓公は菅仲を宰相にすることを決めた。

管仲は内政改革・物価安定策・軍事整備・庶民生活の安定・文化面の高揚等々に当たる。国力のついた[斉]は南方勢力[楚]を撃退し、桓公は諸侯を従え、文字通り天下の覇者となった。

宰相である菅仲は、次のように述べている。

「私を生んだのは両親だが、私を本当に理解してくれたのは鮑叔だ」

 

管仲と鮑叔の友情から作られた[管鮑之交]=(管鮑の交はり)という四文字熟語は、

互いに理解し合い利害損得のない厚い友情。きわめて親密な交際。を言い表す場合に

用いられる。情を分かち合う友をもつ、実に素晴らしいことだ。
 

白い彼岸花が咲いた もう彼岸の入りだな

 

昨日の残りの雑な飯