時は止まることはない、兄イも三回忌を迎えた。誕生日が来ると〝傘寿〟の祝い。

先月の月命日は雨を降らす雲が見る見る消えて行った。

今日は36℃、暑いが風が心地よい。

 

皆が来る前に墓前を浄め、墓石に水。

「兄イ、気持ちいいでしょ」

「オオ、最高だよ苅」

「今日は集まりますよ皆」

「苅 お前」

「はい お前だけで充分と言うのは判ってます。でも三回忌ですよ、来ない方が

 おかしいでしょ」

 

僕が墓参りを欠かさないのは男同士の約束と感謝。

そしてあの時、体調がいいからシャワーを浴びるという兄イを、止めきれなかった

悔いが消えない。

 

総勢9名が集まった。墓前が急に賑やかになった。

 

「兄イ 良かったでしょ皆元気ですよ。 晩飯は鰻、土用の鰻、いつもの店です。

 盆の14日に直ぐ来ますよ。先に先代のところに行って、その後に兄イです。

 前回、先に裕次郎さんのお参りをして来い! と怒られましたから、ハハハ」

「…苅」

 

みんながドッと笑った。〝俊ちゃん いつもそんな風に話してるのか?〟

〝オゥ、 そうだよ〟

 

記念撮影をしたがブログに載せるのはみんな嫌がった。それも致し方ない。

帰路、お斎(とき)を兼ねてドライブインで食事を楽しんだ。

 

帰宅、もう満月に近い。

 

まだ温かいですよ。鰹節・とろろ昆布をつけました。そして冷たいビール。

お前もビール久しぶりだろ。残していいから兄イと一緒にゆっくり食べろよ。

 

 

虫の音が聴こえる 静かないい宵だ。