冠動脈バイパス手術。その後に患われた脳梗塞による言語障害は少し残るが、
熱心なリハビリの成果で、今は以前のようにピアノも弾けるようになられた。
もう90に手が届く歴史を歩まれた名だたる方だが、その姿勢は謙虚そのものだ。
先生と家内と僕、3人一緒の写真が飾られていた。
テーブルに置かれた、レンジ処理したリンゴの薄切りが実に甘くて美味しかった。
奥様に尋ねると、砂糖も一切の調味料も使っていないとのこと、作り方を教わった。
お土産に残りを頂戴し、家内の膳に供えることにした。
ご自宅で5時間ほど忌憚なく話が弾んだ。
万葉歌が唄えるように作曲した楽曲を、先生に編曲して戴いたことがある。
良し悪しは別にして、恥を忍んで記念と敬意を込めて載せておこう。
短歌(三十一文字)なら、どんな歌も唄える。下の句7・7を繰り返して。
「先生、焼肉食べましょう、出かける支度してください」
以前一度入った店の焼肉の味が、脳裏に焼き付いていたからだ。
3人、僕の車で出かけた。タン塩・カルビ・ロース・ハラミ・オイキムチ・白菜キムチ・
野菜スープ・御飯・飲み物。極尽の旨さに舌鼓、賑やかにしてお腹いっぱい食べた。
先生は、なかなかの健啖家だ。
お二人をお送りして、
〝また来ます、会いたくなったら電話ください〟
とご挨拶してお別れした。
夜の10時半に〝ただいまあ〟となった。
「晩飯出来るまで、これを食べててくれ。お前の大好きなものだぞ」
先生の奥さんに頂戴したリンゴを置いた。
遅い夕食。家内にはニラ・キャベツ・ネギにカルビの炒め物、
ハムエッグ、トマトサラダ。ご飯を炊くと遅くなるのでイングリッシュマフィンにした。
一日、有意義だった。