彼岸の入りに、お二人のお墓参りをした時は快晴。
日差しは強いが、今日は清々しい秋晴れ。
重要文化財の本堂
「兄イ、来ましたよ」
どなたがいらっしゃたのか、線香の束から香が漂っている。
墓石も水の跡があり、生花も挿されたばかりだ。
「ありがとう、苅」
「はあ?」
「お前が来るから俺、顔洗えるんだ」
「兄イ、冗談でも二度と言わないでください!」
「本気だな…お前」
「当たり前でしょうが!一番辛い思いをしたのは誰ですか!」
「もう言うな、悪かった。俺が悪かった」
目頭が熱くなった。片肺だけで、酸素ボンベが無ければ苦しくて身体はボロボロ、それでも人には笑みで答える。
そんな兄イを奥さんは労わった。
自分にはよく話してくれた。兄イの悔しさは誰よりも解る。
「兄イ、全部解ってます」
「なあ、苅。気持ちが青空だ」
「そうですか、それでなくっちゃ」
ほとんどないが、ちょっと草むしりをした。
「兄イ、今日はあまり金持ってないんです」
「晩飯か?お前に絶対服従だ」
「質素にいきます」
「お願いします。苅谷さん」
「いいですねえ、そういう冗談。じゃッ、来月10日に」
「オオッ、待ってるぞ」
帰路、例のスーパーに寄った。あった!大隅のサラダごぼう!!
という訳で、高菜漬けの葉のおにぎり、西郷さんのごぼうサラダ、
レタス・トマトのサラダ。
兄イ、家内と一緒にどうぞ。美味いですヨー。