あまり日本の古典芸能に興味がなかった私ですが、先日、初めて新開地にある喜楽館で落語を聞くことができました。落語よりWAHAHA本舗の女優さん、ヴァチスト太田さんの昭和歌謡の方に大爆笑してしまいましたが…(笑)

 

 

 

 

そして、最近読了したのが小説「国宝」。歌舞伎役者が主人公の小説です。

 

 

 

 

著者の吉田修一さんと言えば、私の中ではこちらの小説。

 

 

 

 

昭和生まれ、と言っても40~50歳代の方にはめちゃくちゃ面白い小説だと思います。横道世之介は普通の大学生なんですけどね…、なんであんなに面白いのか分かりません。でも、でも、最後には大号泣…ですよ。お勧めです。

 

 

さて、さて、小説「国宝」ですが、ヤクザの息子喜久雄が父の死後、関西歌舞伎の大御所である花井半二郎の元で暮らし、半二郎の実の息子である俊介と部屋子である喜久雄が切磋琢磨しながら歌舞伎役者の女形として成長する姿を描いています。

 

 

なんですけど、物語はそう簡単には進まず、活躍したかと思えば落とされ、陰湿ないじめにあったり、予期せぬことが次々起こったりと…、小説だからこれで終わるわけがないと分かっていてもハラハラドキドキですよ。

 

 

しかも、この小説に出てくる人々が歌舞伎に魅了されているというか、取りつかれているというか…。何かを極める人ってすごいというか、悲しいというか、何とも言えない感覚になります。

 

 

下巻の帯を見ると林真理子さんのコメントに「…最後のシーンも衝撃的で、この大作のラストにふさわしい」と書かれています。あまり書くとネタバレになるので書けませんが、私が違ったラストがあって欲しかったと思いました。突き抜けた感があるラストでしたけど…、私はもっとね…。

 

 

とても面白い小説だったけど、小説「横道世之介」と一緒で、最後に泣きましたよ…。

 

 

ところで、初めて喜久雄が俊介の稽古を見る場面で、「義太夫劇というのは人形浄瑠璃のことで、…元は人形芝居で上演されたものが、のちに歌舞伎に形をかえて人気演目になった」と書かれています。

 

 

人形浄瑠璃と言えば、淡路島。

 

 

 

 

淡路島で人形浄瑠璃についてしっかり学んでから、いつか歌舞伎を見に行きたいな…。正直、小説「国宝」もちゃんと理解できたわけではないので、淡路島に行く時には再読したいと思います。

 

 

歌舞伎に興味がない方にも面白く読める小説です。お勧めです!