フランスパリにて痛ましいテロ事件が起こりました。

このような残虐行為を絶対に許してはいけませんし

犠牲者の事を思うと言葉に出来ない程、悲痛な想いに駆られます。


改めて、テロは絶対に許されない行為です。


しかし、このテロ行為を除けば、彼らの欧米諸国に対する政治的主張は

ある一定の理路が存在します。


その理路を理解するには、時を100年ほど前に遡らなければなりません。

シリア、イラクという国は約100年前まで、オスマントルコ帝国という中東の大国の一部でした。


ところが、第一次世界大戦でオスマントルコ帝国が敗戦すると状況は一変します。

1919年、戦勝国のフランス、イギリスがオスマントルコ帝国の中東領土を

サイクス・ピコ協定という密約に基づき、勝手に国境線を引き、領土を割譲してしまったのです。


中東地域の地図を見ると、直線ばかりの人工的な国境線が多いのが分かります。


結果、宗教も民族も文化もズタズタに分断され、イラクはイギリス、シリアはフランスの植民地として長い間支配下に置かれることとなりました。


そして時を経て近代、石油利権絡みでアメリカが仕掛けた湾岸戦争が発生、イラクフセイン政権が崩壊。

アラブの春によってシリアは内戦状態に陥り、混乱に乗じてイスラム国が生まれたのです。

彼らはヨーロッパの人間に勝手に引かれた国境線を再び書き換えるという大義を掲げています。


イスラム国の主張は、空虚で無謀なように見えて、実は長い歴史が生んだ因縁があるのです。

だからと言ってテロや戦争による手段が正しいとは思えませんし、彼らの動きは歴史を利用して

民衆を煽り、自己陶酔に浸っているようにしか映りません。


しかし、政治的主張には一定の理路があり、耳を傾ける必要性があるのではないかと考察します。


振り返ると、我々日本人が過去に植民地として統治した国々もありました。

やった方は忘れるが、やられた方は一生覚えている。

これが被害者加害者の心理構造なのだと思います。


物事は一方的に判断するのではなく、両者の意見を聞き、第三者の意見を聞き

最終的に判断するのが重要です。


話は変わりますが

我々の業界で起きている杭偽装問題も、旭化成側のデータ偽装ばかりがクローズアップされています。


データ偽装が許されるはずはありませんが、一方で施行責任は無いのか。

なぜ気付かなかったのか。


「我々は旭化成に裏切られたのだ」
一方的な建設会社側の主張に、違和感を感じるのは私だけなのでしょうか。


「共に責任を取る」

これが平和的な解決の一歩なのではないかと、私は信じます。