旭化成建材の杭偽装問題が世を騒がしています。
デベロッパーとして、当社も対岸の火事とは捉えられない事件です。
三井不動産側は全棟建て替え、あるいは損害賠償で200億円程度の補償を見込んでいるようですが、住民の方の精神的な負担や実際の引っ越しに掛る時間や手間を考えると、それだけでは済まされない気もします。
我々のようなベンチャーデベロッパーは、こんな事があれば一発で会社は吹き飛んでしまいます。
しかし、大企業には大きな資本があります。
例えば三井不動産や三菱地所なら家賃収益だけで年間1000億円以上、自己資本は共に1兆5000億円を優に超えます。旭化成も自己資本は1兆円以上です。極論ですが、何もしなくてもこれだけの収入と資本があるので、200億円の補償をしても企業としてはびくともしないわけです。
そこに組織としての慢心が出て来てしまい、大企業病の一つになるのだと思います。
今回の事件の当事者達は、創業者や先人達が築き上げた資本と歴史の重みに想いを致す事が出来ていたのでしょうか。
東芝、ヴォルクスワーゲン、鹿島建設、そして旭化成
最近の相次ぐ大企業の不祥事は一部の悪意ある担当者の責任と言われています。
確かにそうなのでしょうが
今改めて思うことは、企業は人であり、法人と書く古来よりの意味に考えさせられます。
どんなに大企業になったとしても、仕事をするのは人間です。
杓子定規なマニュアルで固め、表層的な社会人としてのマナーやモラルばかりを教えるよりも、会社の理念や存在意義、そして人としてどうあるべきかを説く事がいかに大切かということ。
そして、希望を与えられない会社は人間と同じく衰退してしまうのだと強く危機感を感じました。
我々グループも果たして大企業になった時、同じような問題を抱えるのかも知れません。
ある一定の確率で必ず犯罪が生まれるように、撲滅することは難しいのかも知れません。
それでも会社は家であり、社員は家族である。
私達の家族はこうありたいと何度も伝えていきたいと思います。