朝顔 と 加賀の千代女 | サト_fleetの港

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広く浅く、幅広いジャンルから、その時々に感じたことを “おとなの絵日記” のように綴っていきます。

朝顔に(や) つるべとられて もらい水

江戸時代の俳人 加賀の千代女(かがのちよじょ)の有名な句です。

井戸に水を汲みに来たら、釣瓶(つるべ)に朝顔のつるが巻き付いて花を咲かせていたので、
取り除くのがはばかられ、お隣さんに水を汲ませてもらいに行った、という朝の光景を詠(よ)んだ句です。


千代さん(あえて親しみを込めてこう呼ばせていただきます)は、
江戸時代、元禄年間に加賀国 松任(現在の石川県白山市松任地区)に生まれ、少女の頃から俳句に天才的な才能を発揮した方です。



そんな千代さんに、こんなことを言うのも何ですが、
“朝顔に…”の句は、たしかに千代さんの女性らしい感性がにじみ出ていて、とても優しい気持ちにさせてもらえる句だと思います。

しかし、現実的に考えると、ちょっと朝顔を過保護にしすぎではないかなぁと思うのですが…。

朝顔は、そんな“やわ”な植物ではありません。
井戸のつるべに巻き付いたつるが邪魔だったら、ちょいとほどいて、別のところに這わせておけば、ちゃんとそこから、つるを伸ばし始めます。

それに、朝顔は、どんどんつるを伸ばしていきますから、お隣さんに水をもらいに行くのは、朝顔が枯れるまで 毎日のことになってしまいます。

ですから、最初は
「あら、千代さんったらお優しい」
とか言って、笑顔で応じてくれていたお隣さんも、
だんだん「またですかぁ」とか、
イヤな顔をするようになって、隣人トラブルに発展しないか心配になります。

な~んて言っている私には、後世に残るような名句をつくる才能などありませんね。

ちなみに、
千代さんは52歳の時に仏門に入り、千代尼(ちよに)と呼ばれ、
当時としては長生きして、73歳でこの世を去りました。


※この記事は「千代女の里俳句館」さんHPの掲載内容を一部参照させていただきました。