今年もこの季節がやってきました。1月24日に選抜高校野球大会の出場校が発表となります。一足早くサクラ咲くとなるのはどの高校か?
当コラムも毎年恒例となりつつあるセンバツ出場校予想、前年度から区割りが変更となったこともあり難解になりましたが、今季も頑張ります(笑)
凡例
☆ 明治神宮大会優勝枠
◎ 出場確実
○ 出場有力
▲ 当落線上、()内は補欠
北海道〈1〉
◎東海大札幌
(○北海)
左右のダブルエースと札幌ドームのスタンドに放り込む事が出来るパワーのある主砲と投打の主役候補が躍動し、前身の東海大四から改名して以来初の北海道王者に。明治神宮大会でも1勝し、実力を証明。準優勝の北海は次点。
東北〈3〉
◎聖光学院[福島]
○青森山田[青森]
▲花巻東[岩手]、(山形中央[山形])
2人の継投を軸に好ゲームを勝ち続けた聖光学院が東北王者に。昨年の主力が残る青森山田も3季連続の甲子園が濃厚。最後の1枠は1回戦から準決勝の内容を鑑みて花巻東が優勢。
関東·東京〈関東4+①,東京1、更に1枠で計7〉
関東
☆横浜[神奈川]
◎高崎健康福祉大学高崎[群馬]
○浦和実[埼玉]、千葉黎明[千葉]
▲つくば秀英[茨城]、(東京農大二[群馬])
東京
◎二松学舎大学付属
○早稲田実
(▲帝京)
“試合巧者”横浜が前年度センバツ王者の健大高崎をタイブレークで下して関東王者になると、明治神宮大会でもタイブレークにもつれるゲームをモノにするなどしぶとさを発揮して優勝。
上記2校に敗れた浦和実は出所が分かりにくい変則左腕を軸とした守備から流れを掴むチーム。千葉黎明は県大会で数々の強豪校を倒した勢いそのままに自分達の戦いを信じてトップ4に。
悩ましい5枠目はつくば秀英を採用。2戦で2~3人の投手リレーで我慢強く戦った、特に1回戦の拓殖大紅陵戦では3点先行を許すも継投から流れを引き戻し逆転勝利。個人的にはこの内容を評価したい。
東京地区は二松学舎大学付属が東京王者。好投手の育成が上手い名チームが再び王者に返り咲き。その二松学舎大学付属に決勝でタイブレークまで食らいついた早稲田実はエース含めて昨年の主力が残り、悔しさをぶつける舞台に立てそう。
東海〈3〉
◎大垣日本大学高[岐阜]
○常葉大学菊川[静岡]
▲岐阜第一[岐阜]、(至学館[愛知])
東海大会を制した大垣日本大学高は名将阪口監督が勇退して初のセンバツが確実。左右のダブルエースが抑えて、手堅い攻撃で着実に点を積み重ねるパターンがしっかり形成。2戦連続完投勝利の実績を持つ左腕を擁する準優勝常葉大学菊川も出場濃厚。3枠目は大垣日本大学高に準決勝で勝ちを逃した同じ岐阜勢のライバル岐阜第一を優勢と判断。至学館との比較で打力の力強さを証明しており、場合によっては2番目の選出でもおかしくない。
北信越〈2〉
◎敦賀気比[福井]
○日本航空石川[石川]
2枚看板を擁して安定した戦いぶりを見せた敦賀気比が北信越王者。決勝以外でわずか1エラーと守備の堅さもセールスポイント。その敦賀気比に驚異的な粘りを見せた日本航空石川も順当に選出と予想。今回こそ能登地方へエールとなる活躍を期待したい。
近畿〈6〉
◎東洋大姫路[兵庫]、智辯和歌山[和歌山]
○天理[奈良]、市立和歌山[和歌山]
▲滋賀学園[滋賀]、滋賀短期大学付属[滋賀]、(大阪学院大学高)
3試合完投と才能溢れるエースを軸に全ての面で圧倒的なパフォーマンスで近畿王者になった東洋大姫路。長短打を上手く絡めて点を積み重ねるらしい野球を展開した智辯和歌山、それぞれに敗れた天理と市立和歌山までが出場濃厚。残る2枠は経験豊富な大阪桐蔭に競り勝った滋賀学園とエース左腕の奮闘から履正社相手に集中打で逆転勝利した滋賀短期大学付属の滋賀勢2校を優勢と判断。
大阪学院大学高は東洋大姫路に善戦したものの、2試合合計1点と得点力不足が懸案事項で、過去の事例でも極端な得点力不足はマイナスで次点となったこともあり厳しいか。
中国〈2〉
◎広島商[広島]
○米子松蔭[鳥取]
堅い守備と犠打や盗塁と小技を絡めた『広商野球』が躍進。明治神宮大会でも準優勝と伝統校のプライドを示しました。その広島商に互角の戦いぶりを見せた米子松蔭もセンバツ出場濃厚に。
四国〈2〉
◎明徳義塾[高知]
○高松商[香川]
昨年の主力が多く残り、国体で優勝した明徳義塾が四国王者に。充実の戦力を束ねる名将馬淵監督による変幻自在の采配に今回も注目。敗退のピンチをホームランで救った勝負強い打者を擁する高松商が2番目でセンバツ濃厚。
九州·沖縄〈4〉
◎沖縄尚学[沖縄]
○エナジック[沖縄]
▲柳ヶ浦[大分]、西日本短期大学付属[福岡]、(育徳館[福岡])
センバツ優勝経験のある沖縄尚学と春夏通じて初の甲子園出場を目指すエナジックと沖縄勢がダブルて甲子園出場確実に。多様な投手を使い分けて食らいつく柳ヶ浦、昨年夏の甲子園に引き続き甲子園出場を目指す西日本短期大学付属が有力。ただ西日本短期大学付属は沖縄尚学に6回コールドの大敗を喫しており、その場合は柳ヶ浦に惜敗した育徳館が逆転する可能性ありか。
21世紀枠〈2〉
◎小松工[石川]
○壱岐[長崎]
(▲山城[京都]、横浜清陵[神奈川])
毎度の事ではあるが、21世紀枠は直前のプレゼンテーションの内容が加味される為、如何様にもなり難解。秋の戦いぶりに加えて、事前に掲載されていた学校についての取材記事(毎日新聞社デジタル記事参照)を参考に判断。
小松工は能登地方への支援を積極的にしており、日本航空石川同様、能登地方へエールとなる活躍を期待したい。
デジタル機材を部員が使いこなしフォームの解析から練習に繋げていて北信越大会ベスト4と実力は折り紙つき。学校の取り組みとしてもチームの完成度でも21世紀枠候補の中でダントツでほぼ確実。
壱岐は長崎県の離島というハンデキャップをはね飛ばし長崎県大会準優勝、初出場の九州大会でも1勝を上げた。離島の高校は過去にも選出されたケースがあり今回もそのモデルケースとして期待される。
山城は京都府で屈指の進学校。聴覚障がいの生徒を受け入れ、学校生活の支援の充実や手話の学習や実践により、全校生徒が障がいへの理解が深い。限られたスペース、時間で効率よく練習し京都府大会42年ぶりのベスト4。
横浜清陵は『部活』とは何かというテーマの研修があり、時間をかけても妥協することなく生徒主体の部活運営をしている。他の部活との兼ね合いでスペースが限られる中で『高校野球激戦区』の神奈川で安定して8強に入る力がある。私立台頭の中で久しぶりの県立校の甲子園出場をうかがう。
果たしてどの高校に一足早いサクラの便りが届くのか?注目です。
〈了〉