スポーツコラムが語る数学コラム3回目となりました。前回までで公式や定理は自ら手を動かして導いて理解することの重要性を具体例を用いて綴りました。もっとも2回目の題材が難しかったと思うのでそこについては反省するとして少しでも数学に対する向き合い方が変わっていただけたら幸いです。
今回は図形(幾何学)への考え方を取り上げます。
図形でも性質や定理が存在しています。(exa.
三角形の合同,相似条件、平行線における角度の性質、三角比,三角関数…)
初回のコラムで証明した三平方の定理もその1つです。
ただ、図形の場合は証明するという手段はもちろん有効ですがもっと手っ取り早い考え方があります。
『百聞は一見に如かず』作図して検証してみましょう。
図形の場合は作図して検証することで直感的に理解できますし、確認できた時の感動はそう簡単に忘れることはない経験になるかと思います。
科学の実験やマジックショー等で感動したような感覚になるのです。今回具体例を紹介するに筆者が実際に検証したのですが、マジで感動しました。(笑)当たり前だと思っていた事が自分の手で確認出来るってなんてワクワクすることなのかと今になって実感出来ました。
ということで今回検証するのは「円周角の定理」です。
そもそも円周角とは上の図の様に円の弧の両端と円周上のある点がなす角で、円の弧と円の中心がなす角を中心角と言います。

改めて「円周角の定理」とは「1つの弧に対する円周角の大きさは等しい」、「1つの弧に対する円周角の大きさはその弧に対する中心角の半分」の2つです。
今回紹介する検証方法はNHK Eテレ 「3か月でマスターする数学」第1回目 円周角の性質で放送された内容を元にしています。(NHK プラスで観れれば幸いですが…)
まずは使う材料と道具を見てみましょう。

材料
画用紙、B5プラ板(オーブントースターで縮めて雑貨が作れるアレ)
道具
コンパス、定規📏、カッター、カッターマット、ペン
恐らく100均で揃えられそうなモノなので案外手軽です。

① まずプラ板をカッターで4つに切り分けます。危ないのでカッターマットを敷いて作業すると良いでしょう。

②画用紙にコンパスで任意の大きさの円を描きます。円の中心を点Oとして記して、円周上の2点A,Bを定めます。その後円周上の任意の2点(P,P')を決めて記します。そして2つの円周角(角APBと角AP'B)と中心角(角AOB)になるように直線で結びます。
このように一目で「円周角の定理」を実感することが出来ました。角度の話とかでホントに等しいの?とか倍になってるの?という違和感を抱えながら飲み込んでしまっている方いらっしゃるかと思いますが、このようにトレースをして重ねて比較することで体感出来ることは非常に大きいと思います。実際に試してみて下さい。ということで今回は図形の性質,定理は実際に作図して検証する手段があり、理解しやすくなるという話でした。途中で述べた様に検証ができた時の感動はハンパないのでぜひ試して下さい。
そろそろクリスマスが近いので次回もう少しカジュアルに読める内容を準備したいと思います。
ご期待ください…
〈了〉



