監督は『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』をつくった人。
少年が主人公のラブストーリーなんだろうな、と思って観ていたら。
恋愛プラス、すごく変なSF。(ほめ言葉)
パンクが好きな少年、エンは、友達二人と売りに出されていた空き家で行われていたパーティーにもぐりこみ、美しい少女、ザンと出会う。
しかし、別の部屋では、同じ色の服を着た集団が踊りのような動きをしていたり、なにかがおかしい。
ザン、パーティーを抜け出して、エンに会いに来た。エンの黒い靴をはいてるザン。
ザンは自分がはめていた黄色い透明な指輪を見せ、「コロニーの象徴」と言う。
自分が大好きなパンクや、部屋の壁いっぱいに自分が描いたイラスト(黒いペンで描かれた、「ウイルスボーイ」というエンのオリジナルキャラ)を見るザン。
人間がウイルスに適応していくうちに、バクテリアがヒトになった、とエンがイラストの話をしていたら、だんだん顔が近づいて、キスし始めた二人。
エンのお母さん(息子が連れてきた彼女が気になってしょうがなくて、うっとうしがられる)がこのあと出てくるんだけど、ザンと二人きりになったとき、いきなり声が変わってザンに話しかけてくる。
PTというザンの親? の男性がエンの母親の体を乗っとたらしい。このシーンちょっとホラー。
エンとザンの楽しそうなデート。
団地のような場所で、ごみを捨てるなという看板にゴミを投げつける、庭にあったトマトを勝手にもぎとって、二人で左右の端から食べあったりする、といちゃいちゃがすごい。
エンの父親は、パンクな人だった。でも家にはいない。「私がPT(保護者)だったらあなたを捨てない」と言って、エンの首になにかをかけたザン。
首にかけたのは、ザンがつけていた黄色い指輪に黒いひもをつけたもの。それ、あげちゃっていいの?
ザン、コロニーでなにか重要な立場になるらしい。どうやらこの少女、地球人じゃない。
そのときファーストフート店では、いろんな色の服を着た集団がなにかを話し合っていた。ザンが「追放」に。
レコード店に友達二人といるエン。エンといっしょに来たザンを見た友達、「なぜその女をここへ?」と警戒。彼はあのパーティーにいた人たちがヤバいと思っているので、ザンもその仲間だと思ってる。
ザン、エンの友達に「不完全な性行為をしたわ。あなたのコロニーの”普通の土曜”が楽しみよ」と、明らかに変なことを言う。
このときのエンの眼を閉じた顔、「それ言うなよ……」って感じでおもしろい。
ヘッドホンを間にはさんでレコード聞いて、笑い合う二人。またいちゃいちゃしてる。
カフェのような店にいる四人。ザン、エンたちに「監視がいるの」と。席を外すザン。すると、近くにいた4歳ぐらいの子どもの声が変わる。PTウォルドがとりついてる。
エン、友達二人に「彼女は変だ」「あいつらは高度なカルト集団だ」と言われる。
戻ってきたザン、「あと22時間よ、パンクを見たいわ」。ザンとエン、二人で店を出て行く。
四人は工場のようなところに。頭はピンク色で、つけまつげ、紺色のシャツに黒いジャケット、首には黒いチョーカーと、首から下にたらしているシルバーのチェーン、となんかすごい見た目の女の子が。
パンクなファッションを着ているマネキンを倒しちゃったザン。マネキンがドミノのように倒れ、その先にあったドラムが鳴る、というパンクなピタゴラスイッチ発生。
場所が変わって、さっき工場にいた白い髪の女性にメイクされているザン。この人、ヴィヴィアンウエストウッドに雇われていたけど、服の色でモメてクビになった、というパンクな人。
白い髪の女性、ライブハウスの舞台に立つと、ゲストボーカルとして呼んだのが、ザン。
出てきたザン、黒いチューブトップに、ビニールでできた透明なワンショルダーを着てる。
即興で歌うことに。「コロニーの歌」「6人のPTは私たちの保護者」と自分のことを歌う。
さらにエンも舞台に立って歌い始め、二人の歌で盛り上がる客席。
楽屋に入るなりキスするエンとザン。そのとき、あの家にいたオレンジ色の集団の中にいた女性がライブハウスに。
ザン、「明日、PTに食べられる」「子孫を残すために」とエンに言う。
エンの友達、楽屋でオレンジ色の人がふたつに分裂しているところを見てしまう。怖い。
謎の男に近づかれるザン、「自由になるのよ」とほかの男とキスして、それを見たエン、先に帰ってしまう。ザン、急に吐いてしまう。さらに老婆に「子どもを宿してる」と告げられる。
一人部屋で怒っているエン、ザンにもらった黄色い指輪をゴミ箱に投げ捨てる。
夜、誰かの視点で夢を見てるエン。あのオレンジ色の人たちが。女性が、すごい口をあけた男に食べられてる。悲鳴が聞こえて、別の部屋にいたザンが「エン」と。
飛び起きたエン、ごみ箱を見ると、黄色い炎が出て燃えている。すぐに消火。でも、あの指輪は燃えずに残っていた。
エン、友達二人と工場のパンクの女性二人に会いに行き、協力してもらう。白い髪のパンク女性と二人であの家を訪ねて「アスベストの検査です」と。証明書を出すように言われ、ぶん殴るパンク女性。すごい数のパンクファッションの男女がいっせいに家の中へ。
ザンを探すエン。ザンのいる黄色のコロニーで、一番上の人? の手下らしき人たちにとりかこまれるザンとPTの男性。
一方、白い髪のパンクさん、オレンジ色のの女性が意識をのっとろうとして、のりうつれない。「ティータイム」と、みんなで仲良くお茶飲んでる。なにこれ。笑 イギリスらしい和解。
しかし、コロニー全体の一番上の立場らしき人(性別がわからない。男性?)が超音波のようなものを出し、家の中にいたパンクたちがいっせいに倒れてしまった。
同じ部屋に黄色、オレンジ、白、水色(こんなにたくさんいたんだね、コロニーの人たち)の人々が集まり、話し合いが始まった。コロニーどうしでなにか意見が違っていて、モメてるっぽい。
さっきの黄色のコロニーの一番上の人、黄色じゃなくて白いコロニーの一番上の人だった。この人は、繁殖するために子どもを食べ、親も食べると言う。民族は一人になり、自分に襲いかかる。それで宇宙は安堵する。と、だいぶヤバいことを提案する。
それを聞いたザン、「ざけんな」「俺たちをナメるな」「メチャクタしても俺たちは生きてる」。
「捕食を続けたい者は?」すると、赤とオレンジのPT(コロニーのリーダーらしい)が手をあげなかった。
黄色の男性が「ザンは子どもを宿していていて、PTの資格があるから投票する権利がある」と。
エン「妊娠を?」 ザン「私たちの子よ」 この二人、キスしかしてないんだけど、それで妊娠した? らしい。
白のリーダーいわく、子どもを産むならコロニーから退去して、ここ(地球)にいないといけない。退去したら二度と戻れない。ここか、コロニーかどちらか選べとザンにせまる。
家を出て行ってしまうザン。ザンを追いかけて、家の中で倒れている友人をたたいて起こしてから、家を出るエン。
夜になった。イギリスの国旗みたいなフードのついた服を着て、家を出て行く白のコロニーの人々と、それに続くほかのコロニーの人たち。
ザンを見つけたエン。 エン「父親になる。絶対だ」 ザン「ここでは生きられない。仲間が食べられるのを、私は止められる。永遠にずっとよ」
コンクリートに人体のような絵を描いたザン。エンからわたされた黄色い指輪を、その絵の胸の真ん中、心臓のあたりに置く。「出入口ね。その向こうに――愛がある」
見つめ合う二人。「行かないと」とエン。
そのとき、コロニーの人たちは国旗の服を脱ぐと、高いところからいっせいに飛び降りていた。
ザン、エンの手と自分の手で黄色い指輪と包みこむように握って、涙を流し「愛してる」というと、エンを突き飛ばし、飛び降りてしまった。泣きだすエン。
周囲は暗くなり、エンとザンがデートした団地が。トマトがある庭。誰もいない風景。
夜の街を歩くエン。家の中に、母親と、父親らしき人がいて見つめ合っている。
日付が変わって、制服を着ているエンと友達二人。彼女は、仲間と去ったんだろう、彼女は強い子だ、と落ちこんでるエンを励ます二人。
「簡単なことさ。おまえはおまえ、彼女は彼女だ。変わると…別のものになる」とザン。
これ、ザンと出会って自分が変わったって言いたいのかな。
エン、二人の友人を乗せて三人乗りで自転車こいでる。
ザンがつけていた、黄色い指輪にあったマークが画面にアップになって、宇宙に。光っている7色のコロニーのマーク。
1992年(いきなり時間が飛んだ)。レコード店に行列ができていて、サイン会をしている。「ウイルスボーイとコロニー」というイラストが。
エン、作家になっていた。見た目が大人になり、メガネをかけている。
サインをもらいに来た人の中に、緑色の服を着た、あの黄色いコロニーのマークのバッチを胸につけた、「エン」と名乗る男性が。
あ、もしかして、息子?
ほかの人が「母親の方針で」「ここに来たの」 バッチをつけた男性は「バンドを組む」と。
涙ぐんで、もう少しで泣きそうになってるエンの顔が映って、終わり。
子孫を残すために仲間を食べるとか、すごい変な設定。一応、ラブストーリー? でもこれハッピーエンドですね。