運び屋 | 想像と好奇心でできている

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野いちごでは、 『テレビの感想文』ときどき更新。

ネタバレしています。ご了承ください。

 

アール・ストーン(クリント・イーストウッド)、90歳。

家族より仕事を優先してきた彼は、ユリの栽培と販売をしていた。が、ネット販売に押されて、事業は失敗。自宅を差し押さえられそうになっていた。

 

そこに、車で麻薬を運ぶ、運び屋をしないか、と男がもちかけてきた。

スカウトしたのは、メキシコの麻薬カルテル。

 

最初はおっかなびっくりで指定された場所にまで届けて、トラックの運転席に残されている、封筒に入れられた報酬の金額に驚いたりしていた。

それが、何回もやるうちに、慣れが生まれてくる。

 

運ぶ麻薬の量も増え、と同時に報酬のお金も増えていく。そうしていくうちに薄れてしまう、罪悪感や、犯罪にかかわっているという恐怖や不安。

カーラジオから流れてくる明るい曲。やってることはトラック麻薬の運び屋。というすごいギャップ。

 

でも、妻の死が迫ったとき、ようやく麻痺した罪悪感がよみがえったんだろうね。

けど時すでに遅し。逮捕されて、裁判に被告人として立つアール。

かろうじて、家族が彼を見捨てなかったところはまだよかったね、というか。でもハッピーエンドでは決してないし、一人の男が犯罪に手を染めて、破滅していくのをゆーっくりと見ているような感じ。