これはおもしろいな、とめっけもんな深夜番組があった。
テレ東の「こそこそチャップリン」。
芸人さんのネタ見せ番組なんだけど、お客さんが30人いて、そのうち20人が「○」の札をあげなければ不合格。
半分以上がおもしろい、と判断しないとダメ。
「オンバト」のようなシビアさがある。
でも、変わったタイプのネタでもおもしろかったら大丈夫そうな空気感があって、そこはなんとなく「THE MANZAI」っぽい。
ピースの綾部さんとハライチの澤部さんが進行役で、さくさく進んでいくし、ネタが終わったあとの芸人さんとのやりとりもいいなぁと。
集計した人数をボード持って出てくる、ラウンドガール風の巨乳の水着の女性がいるので、お笑いにまったく興味ない人でもそういうの見たいって人にはいいかもしれない。
3週勝ち抜くと、年末にあるウンナンの内村さんがMCの特番の出演が決定。
さっそく、勝ち抜いたオジンオズボーンが出演決定になっていた。おめでとうございます。
で、1組抜けたら来週挑戦する芸人さんがくじ引きで追加されるんだけど、待機場所にいる芸人さんたちが、皆さんネタがおもしろそうな方たちばかりで。
彩East Liveに出てるニューヨーク、横澤夏子さん、ピスタチオ、
それにR-1で個人的におもしろかったので記憶に残ってるマツモトクラブさんなど。
ネタを見るチャンスがあったらいいのになぁ、売れるきっかけになるに違いないのに、って芸人さんにはぜひ出てほしい番組。
もし、この番組に出てほしい芸人さんを選ぶなら。
そうだなぁ……。
磁石、ブロードキャスト!!、イシバシハザマ。自分が応援してる芸人さんなので。
彩に出演していてこの番組に合いそうなのは、フレミング、ゆにばーす、ひので、西村ヒロチョさん、ダイスさん、かな。
「バリバラ」。Eテレで放送中の、バリアフリーなバラエティ番組。
数年前に読んだ、中村うさぎさんのエッセイを思いだす。
いろんな人を集めて、「いままで見たことのない番組をつくろう」という企画の番組があった。
そこで、中村うさぎさんが「障害者ラブワゴン」という企画を提出。
その名の通り、出会いを求める出演者のなかに車いすの人がいるんだけど、そこで「障害者を見世物にするのはどうか」と言われたんだそうだ。
そもそも、ハンデのある人がハンデのない人のなかにいる状態を見せることが、この番組の趣旨である「いままで見たことのない番組」になったんじゃないか? とうさぎさんがエッセイに書かれていた。
いまでは民放でも、まあまだまだ少ないけど、パラリンピックの選手がニュース番組に出るようになった。少しは、変わりつつあるんだと思う。
この前の、あそどっくさんのネタ。
重度障害があり、いつもストレッチャーに横になったままネタをやる芸人さん。
「障害者に攻撃するなよー」と言って、怪人がひるんでるすきにビーム出して攻撃して倒す、っていう正義のヒーロー。
敵の怪人は、「世間の眼」。怪人の見ためは、真っ黒で、全身に眼がびっしりついてる。
いやー皮肉が効いてる。この人にしかできない。
これは攻めてるなぁと思ったネタといえば、最近だとNKH新人お笑い大賞で、セリフの最後に「責任能力がない」って言葉を使った、ロビンソンズぐらいかな。
あそどっくさんは芸人で、自分から見られようとしてるわけで、見世物にしてるわけではない。
けど、この番組以外で、障害のある方が芸人としてネタやってるところは見られない。
つまり、NHKじゃないとこういうのは難しいのかも。
笑える、おもしろいってことで、本来は言ってはいけない、やってはいけないことであるはずの見えない壁が、あっさり破壊されてしまう。
あざ笑うんじゃくて、笑う、だから。「笑っていいのだろうか?」と思うこと自体、そこになにか壁があるのかもしれない。
などと、いろいろ考えさせられる、良い番組。