1月11日 中卒のべろ | 想像と好奇心でできている

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野いちごでは、 『テレビの感想文』ときどき更新。

出演

エレファンツ 大江すぐる


https://twitter.com/ooe_suguru/status/554263682536841217

大江さんのツイッターより。

このライブの宣伝の画像。デザインが素敵。



30分、大江さんが一人でしゃべり続ける。

舞台に芸人さん一人だけしかいないライブって、これが初めてでした。


幕が開くと、舞台にサンパチマイクがひとつあるだけ。シンプル。


大江さんって、早口なんですね。頭の回転速い。



記憶に残ってる範囲で、いくつか。


・人と屏風は直ぐには立たず。


ライブ名「中卒のべろ」以外に、もうひとつ案があって、それがことわざの「人と屏風は直ぐには立たず」。

高校を中退し、大検とって大学に入り、大学を中退。三歩進んで三歩下がった。


屏風は、まっすぐだと倒れてしまう。ジグザグに折らないと立たない。


・なにかについて、偏見が正しいと思ってしまうことがある。


すぐ泣く女。泣いてどうにかなると思っていないか。

逃がさへんぞ、と。笑


女性の得意料理、肉じゃがというのは本当か。

男性を意識して「肉じゃが」と答えてないか?


でも、男性の好きな料理はたいてい肉じゃが以外だ。得意料理肉じゃがと言えるほど、何回も肉じゃが作ってきてるんですよね。じゃあ、あなたは肉じゃが好きなんですか? と訊くと、そうではないと答える。

だとすると、ファッション肉じゃがじゃないか?

(お客さんの大半が女性。この話を聞いてるとき、わかるわかる、って共感するリアクションが聞こえた)


・大江さんが生まれてすぐにお母さんが亡くなり、父子家庭に。

親戚のおばさんが「お風呂に入ろう」と言ってくると、父親は「入ってこい」と言う。

「バカか」と。


親戚のおばさんは、親戚のおばさんで女性。

なにかある、と疑心暗鬼になった。

子ども向けの戦隊モノの武器の剣を、かまえて、向けた。


誰かが拾ってきた、落ちていたエロ本を、友達とみんなで見た。性の目覚め。思春期。

女性に免疫がない。昔のエロ本は、女性の隠してる部分がピンク色の星だった。

見たら、そんなわけないんだけど、ピンク色の星が飛んできたように見えた。

大江さんの口から、そんな話が聞けるとは。笑


・なぜこういう正確になったのか。自己分析すると、まず、家族が原因ではないかと。


お母さんが亡くなって、父子家庭で育ったそうで。

お父さんは、オラオラ系で、頭が悪い。


小1の大江さんの宿題をお父さんが見てあげたときのこと。

計算問題を、何回解いてもその答えになるのに、お父さんは「違う」と言って、しまいには怒り出した。

そこで、電卓を使って計算したら。大江さんの答えが合っていた。間違っていたのはお父さん。


すると、お父さんは自分が悪かったことに気づき、「……今日ハンバーグにしようか」。

自分は泣いたし、すごく悔しいのに。それで釣り合わない。


小学生の頃は、大江さんはクラスで明るくて、ボケるような性格だったんだそうで。「ちびまる子ちゃん」でいう、はまじとかブー太郎みたいなタイプ。


お父さんに今日あったおもしろいことを話していた。

でも、その話を聞いたお父さんの態度は3つのどれかだった。

1「その話おもしろくない」 2「話が長い」 3「うるさい」

(どれも、子供が父親にされたら悲しいリアクション)


ある日、父親と車に乗っていて、いつものように話をしていたとき。

T字路で止まったときに話の落ちが来た。今日はおもしろかっただろう、と思っていたが。

「ああ、やっと終わった」と、4つめの反応が返ってきた。


これはショックだった。そのとき、もうこんなことやめよう、って心に決めて、なんでそうなったのかわからないけど「よし、とがろう!」ってなった、と。


最初は、とがろうと自分からつくっていたのに、いつの間にかとがっていたのが性格になり、中学、高校ととがった性格で、はまじとブー太郎が、尾崎豊になったようなもの。笑

(自分で、「こういう風になろう」と決めて、その性格になったそうです。性格って、周囲の人とか環境でつくられるものだと思っていたので、そういうこともあるんだ、と思いました)


・高校には1年在籍したものの、中退。学校に行かない、働かない、なにもしない時期があった。

そのときの、いまになって思いだすと、謎の遊び。


呼吸を数える。いつの間にかカウントするのは忘れる。昨日は○回だった、今日は○回だった、とか。


家の前に道路があって、2階の自分の部屋の窓から、釣り糸に小さな鉛玉をつけた釣竿を出して、それを窓から投げた。


・舞台に出演するので、その稽古をしている。(エレファンツの舛方さんが脚本を書いた、舞台「とけないまま、とけていく」のことですね)


俳優さんたちとの食事の席で。

人間なら誰でもオーラが出ていて、1万円札をてのひらに乗せると、そのお札がなにも触ってなくても折れ曲がっていく。人によって、斜めだったり、折れ曲がり方が違う、という。


そこで、大江さんがお財布から1万円札を出して、みんなでやってみた。

大江さんも手に乗せた。


が、微動だにしない。動かない。

「さっき、人間なら誰でもって言いましたよね。僕人間じゃなかったのか!」

(そんなことなはい。笑)


これは聞いてて思ったんですが、たぶん、てのひらから出てる熱とか、汗が蒸気になってとか、お札が動くんじゃないかと。オーラじゃなくて。

ってことは、大江さんはそのとき、手が冷たかったか、てのひらが乾燥していたか、とかじゃないかな。


30分、あっという間でした。おもしろかったし、それわかる、って共感できたところもあった。

大江さんがどんな人なのか、っていうのも少しわかりました。