神保町花月 19:00~
脚本・演出
安達健太郎(カナリア)
出演
ブロードキャスト!! 犬の心 竹内健人
ニューヨーク 安達健太郎(カナリア)
あらすじ
ヒトを騙すのはとてもいけないことです。モノを盗むのはとてもいけないことです。だけど僕は騙したりモノを盗んだりしてきました。世界が歪んでいるのは僕の仕業かもしれません。
あらすじを簡単に書くと。
田舎の小さなライブハウスで演奏していたバンド「キャットハーツ」。
音楽雑誌のライターの男は、キャットハーツのボーカルと、ギターの音で挑発するかのように乱入してきた男と出会う。
キャットハーツは、成功を夢見て上京。その後、メンバーたちにはそれぞれの選択があり、別れがあり、最後に夢を叶えたのは……。
まず、劇場スタッフさんが、なにかをお客さんに配り始めた。
ビニール袋に入った紙くずが3つ。
開演すると、竹内さんが一人舞台に。
「A列、B列、C列の人は、少しでもダサいと感じたら、紙くずを舞台に向かって投げてください。投げてください。投げてください……」暗転していく。ヒロシです?
この演出、お客さんがダサいと思った瞬間がすぐにわかるので、紙くずが飛んでいった瞬間もおもしろい。
気のせいでしょうか。犬の心押見さんがセリフ言ってるときに紙くずが多く投げられた気がします。笑
安達さん、わざとそういう方向に仕向けた?
バンド、といってもギターとベースは楽器持ってるけど、エア演奏に近い。
ボーカル押見さん。歌はご本人が歌ってる。オリジナルで、誰かが作ったようです。
ニューヨークのお二人は、パッと見てわかるバンドのメンバーらしさ。
ドラムがブロードキャスト!! 吉村さん。スティック持ってないけど、持ってるように見える。
舞台が、ライブハウスのステージに。
舞台の下、さっきまで出入口だった場所に、安達さんと竹内さんがいて、そのステージを観てる音楽雑誌のライターの先輩後輩。
安達さんは、舞台以外の場所、ときには客席の目の前やすぐ横のスペースまで使う。
お客さんも小道具の一部、出演者の一部のような設定にする。なんてこともあり。
(この演出、安達さの脚本演出以外ではあまり観ないんだよなぁ。もう安達さんがしてるから、なんですかね?)
安達さんは、「東京に食われるぞ」と、東京行きを止めようとする。が、本人がそうしたいなら、止めようがない、とそんなに強く引き止めない。
竹内さんは、ボーカルに心をつかまれた(ここはちょっとだけ少女漫画かBLっぽい? ってシーン。笑)、クラシック以外はほとんど聞いたことがないのに、なぜかロックバンドの音楽雑誌の編集部に配属されたライター。
キャットハーツが新幹線(と言ったわけじゃないけど、おそらくそう)に乗ってる。舞台の右(上手)が前。
嶋佐さん以外のバンドメンバーと竹内さんが、縦に2列になって、いすに座ってる。
すると、舞台の下にニューヨーク嶋佐さんが。なぜか舌を出してべーって顔。
嶋佐さんが「変な人! 変な人!」と吉村さんに連呼される。笑
動きだす新幹線。いすに座った全員が、舞台の左から右に、いすを持って前に移動。笑
それを走って追いかける嶋佐さん。「線路に入らないでください!」とアナウンスが。ダメだよ。
別れのシーンだけどまったく泣けない。笑
上京したものの、キャットハーツの歌は売れず。
業界で有名な同性愛者のプロデューサーに会いに行くようにボーカルに言われて、和也が。
シャツの胸もとがあいてて、ネクタイが少し緩んでて、なんだか色っぽい姿に。
あー、房野さんがー。じゃなくて和也が。
「こっち来ないでよ!」話し方が女の子っぽい。
安達さん、BLっぽいシーン出すの好きなんですかね?
安達さん脚本演出だと、けっこうよく見かけるんですよ。別にこの設定はなくても、ストーリー展開に問題はないと思うし。
あと、押見さんはイジられる役、もしくはかなり演じるのが大変そうな役が多いような気が。これは安達さん、立場を利用したちょっと軽めのパワハラ? でも笑っちゃうんだよなぁ。
で、房野さん一人でレコーディングする、それを事務所の社長とバンドボーカルがガラス越しに見てるってシーンで、房野さんが歌ったのがAdachildsの「ミルキーウェイ」。笑
ソロデビューの曲ってことになってた。わかる人にはわかりますね、これは。
夢を叶えたのは。
それだけの視点で見ると、房野さん演じるあの人だけ、ってことになる。
バンドからはずされ、実家のお寺を継ぎ、お坊さんになった(フリップを使い、ピン芸人のようなネタで説法をするお坊さんだけど)あと、事故で亡くなった人。
バンドのボーカルで、女性から人気があるだけではなく、男性との恋愛もしてしまう強烈なキャラ。でも売れなくて、バントは解散。田舎に帰った人。
と、全員が幸せになってない。
最後に。
事故があった現場に来た。すでに、缶ビール2本と、手向けの花束が。
「さるがまじっている」
「なんだこれ?」で、暗転。これ、あのときのネタの! 笑