内定をもらっていない4年生へ
-----「若者はなぜ3年で辞めるのか?」という本がベストセラーとなり、反響を呼んでおりますね。
R 非常に良く出来た本だよね。年功序列からのアプローチが面白い。もちろん、それだけが理由ではないにしろ、社会の構造を言い当てている気がするよ。
-----特にRさんが普段から言っている内容ともかぶっていますよね。
R そうそう、私がよく言っている『脱受験型就職』の概念に近いことが述べられているよね。まさに共感です。
-----さて、今回特別版ということですが、どういった内容をお話されるんですか?まさか若者はなぜ3年で辞めるかということを学生に言うのでは?
R いやいや、これから夢溢れる学生にはまだ伝えるつもりはないよ。冒頭にこの本を取り上げたのは理由があるんだ。本を持っている人はぜひ見て欲しい(P127)のだけど、今日伝えたいのは『「新卒」と「既卒」の間の越えられない壁』について。
-----「既卒」というと、先日某関西の大学の掲示板で問題になったやつですよね?「新卒」と「既卒」は天国と地獄ほど違うなど記載して波紋をよんでましたね。(他の内容が一番波紋をよんだようですが)
R そう。この本の言葉を借りるならば、「既卒」というのは「正社員としての内定がないまま、学校を卒業してしまった若者」のこと。私が定義するならば、3つあると思っている。「卒業時点で就職をしなかった人」「社員以外の働き方をしている若者」「超早期退職者」。
-----最初の二つは一緒ですが、最後の「超早期退職者」というのは本の定義にはないことですね。
R うん。でも考えてもらいたいことがあるんだ。
-----はい。
R ちょっと話が変わるけど、現在の採用は大きく「新卒」と「中途」に分けられている。新卒の延長線上に中途があるように思われているけど、実はそうではないんだよね。まったくアプローチ手法も、受験する人たちもまったく違っており、ある意味別物だと思っている。
-----どうしてですか?
R 新卒は、経験を求められない、横一列同時に行われる(時期が決まっている)けど、中途は経験を求められ、時期も一定ではない。企業も個人もまったく違った手法でアプローチする必要があるんだ。少し乱暴にいうならば、個人は経験がなければ中途の人は採用されないんだよ。
-----なるほど。ですが、最近は「第二新卒」とか言われていますよね。経験を求められてませんよね?
R 昨今の求人環境だと、中途であっても経験を求めなくなっては来ている。しかし、逆に人事担当としてみて欲しい。一般的に、経験のある若手と経験のない若手が同時に応募がきたらどっちを優先するかな?
-----それは当然経験のある若手です。あっ。
R そうなんだよ。何だかんだいって、結局は経験のある人が優遇されるんだよね。そう考えると、例えば新卒で入社して入社式当日に辞めた人は、中途扱いに定義上なるけど、経験なんてないわけだから、経験のない未就業者になるよね。そういう人と、3/31に卒業して4/1に職のない人はほとんど変わらないと思うから、同じに扱っているんだ。
-----なるほど。確かに仰るとおりですね。ちなみに超早期退職者というのはいつくらいまでの期間の方を指すのですか?
R うーん、難しいね。それは定義できないな。強いて言うならば1年未満とするんだろうね。経験として見られるぎりぎりのところだから。
-----分かりました。ちなみにそれぞれの方々がどういう人かイメージをつけたいので、教えてもらってよいですか?
R じゃあ、例を挙げるよ。公務員試験などの受験のため就職浪人をしていた人、海外大学を卒業して帰国してきた人、卒業時点まで内定が獲得できなかった人、新卒でフリーターや派遣社員の人、決まっていた内定先が卒業前までに倒産してしまい、そのまま内定がない人、非常に短い期間で辞めてしまった人だ。
-----イメージがつきました。所で今回のテーマ「壁について」ですが、具体的にどういう「壁」があるのですか?
R これも本に書いてある言葉を借りるならば「既卒者は門前払いされる」んだよ。学歴が良くても関係なく、企業はまったくといってよいほど受け付けてくれない。
-----そうなんですか!
R そう。だから就職浪人する人は、あえて留年するんだ。ここに新卒と既卒の超えられない壁があるんだよ。分かりやすいように例を挙げるね。
-----はい。
R 弁護士を目指すべく、司法試験の勉強をしていた人がいる。その人は学生時代チャレンジするも、残念ながら不合格。絶対受かると信じ、またお金がかかるということで、大学を卒業して勉強する。28歳までチャレンジするも、結果が出ず民間企業へ転換。年齢が年齢だけに中途のサイトを利用して応募するも、経験がないということでどこも受からないちなみにその人は96社受験したそうだけど、返事が来たのは2社のみ。その2社は書類選考お見送り連絡。実は残りの94社からは返事すらもらえなかったらしいのだ。
-----その方はどうなったんですか?
R その人は気づいたんだ。いわゆる既卒になってしまうと、受験するチャンスさえ与えられない。よって受験するチャンスをもらうべく、行きたくもなかった大学院に進学して、無事年齢は高かったけど新卒で就職したんだよ。
-----なんと、そんなことがおきていたんですね。
R 今何がおきているかというと、極端に言うならば、『3/31までは学生は企業を選びたい放題だが、わずか1日過ぎてしまうだけで、4/1になってしまうだけで、卒業すると受験するチャンスさえも与えられない』ということだ。おかしな話だよね。その1日に何の意味があるのか分からないよね。これが新卒と既卒の超えられない壁なんだ。
-----そうなんですね。そんなことが起きているんですね。
R これもとある人なんだけど、その人は学生時代外食の店長をアルバイトでやっていたんだ。店長だったから給料も結構良く、下手な社会人よりももらっていた。またその会社の正社員以上の働きをしていた。当然しっかりとやっているという自負もあったし、外食にやりがいを感じていた。よって就職活動も特にせず、卒業後もそのままそのアルバイト先の企業にアルバイトのまま就職。しかしアルバイトにも限界が。正社員のような役割を与えてもらえなかったんだね。そこで正社員になるべく転職。だけど雇用形態がアルバイトだったということで職歴がないとみなされ、先ほどの人動揺、結局就職に苦労したんだ。
-----フリーターは働き方や成果は一切関係なく、まったく職歴としてみなされないんですね。
R そうなんだよ。それも今起きているおかしなことなんだ。
-----超早期退職者でも何か事例がありますか?
R あるよ。この人もすごいかわいそうだったんだけど、元々地方出身者で大学で状況。そのまま東京で就職し、入社式を迎えた。しかし身内で不幸があり実家に帰らざるを得なくなり、会社を1週間で退職。地元に戻り就職活動をしたんだけど、書類が通らない。どの企業も「1週間で辞めた堪え性のない人」とみなされたんだよね。
-----説明できなかったんですか?
R 面接ならいざ知らず、履歴書に書いたとしても企業は取り合ってくれないんだ。そもそもの所で、1週間しか続かなかったという事実しか見ていないからね。
-----うわー、悲しいですね。
R 以上のように、新卒が、いわゆる既卒かでこうも状況が違っている。もちろん、既卒者歓迎の企業もあるがまだまだ少ない。安倍政権が「再チャレンジできる世の中を」と言っているものの、まさにこれなんかが再チャレンジできていない世の中だと思うよ。
-----となると、これらを踏まえれば、何としても卒業までに内定を勝ち取る必要がありますね。
R うーーん、現在の世の中だとそれが仕方ない感じだね。非常に悲しいけど。でも一方で既卒者を積極的に取ろうという企業も増えているんだ。そういう意味では、今後楽しみだけどね。
-----そうですね。
R 実は人にも寄るんだけど、超早期退職者は以外にやめないというデータがあるんだ。これは一度失敗しているから、次こそは続けようという気持ちが働くらしい。このことからも既卒だから優秀ではないとは一概に言えないと思う。卒業時点で内定をもらっていないのは、優秀じゃないから、フリーターを選んだのは楽そうだから、またすぐに辞めてしまったのは堪え性がないから、などともすると思い込みの部分は多いよね。必ずしもそうはいえないと思う。確率の問題といってしまえばそれまでだけどね。
-----既卒者が採用される世の中が出来たら、日本の採用は変わるのではないですか?
R そうなんだよ。仰るとおり!既卒者を新卒扱いにして採用することが出来れば、大きく日本の採用は変わるだろうね。現在世界的にも特殊な4/1の年1回採用が一般的だけど、既卒者が新卒で採用されるとなれば、年12回の新卒採用だってありうるよね。それこそ中途と同じマーケットになると思うんだ。当然学卒者は4/1入社だけどね。
-----既卒者を新卒扱いですか?なるほど。
R 今第二新卒採用って、新卒の代わりとして採用されているんだけど、実際は中途扱いなんだよね。経験を求めている。新卒の代替のはずなのに中途。ちょっとおかしいよね。
-----確かに。新卒が取れないから第二新卒を採るってよく聞きますけど代替ではないですよね。
R だからこそ、新卒としての採用を行って欲しいと個人的に思っている。そのため、下記のようなサイトを作ったんだ。
-----『卒業してからの就職』ですか。。。
R まさに既卒者のためのサイト。1/17よりオープンするよ。既卒者の皆さんはぜひご活用下さい。またまだ内定をもらっていない4年生の人はがんばって内定をもらってくださいね。2月には全国にテレビCMを打ちます。
http://www.sotsugyo-shushoku.com/
2007春入社を目指す既卒者のための就職活動サイト。期間限定で2007年1月17日に新規OPEN。