妻の病巣の膵臓末尾がん
何故がんなんかが発症したんだろう
彼女の家系を辿ってみても遺伝的要因は無い
酒もたばこもやらず至って健康的な日々を謳歌していたのに
当初発覚時になんで私ががんにならなきゃいけないのと怒りに似た言葉を発してた
でも私がんばって治療するよ と言ってくれた
俺も出来る限りの事はするしお前の身の回りや体の保護、家の事は任せろとも告げた
治療開始後、元々弱めの傾向だった腸の働きが思わしくなく
年が明けてすぐに排出物が正常に出ずトイレでグスングスンと泣き出してしまった妻
扉を開けて由美子を見ると辛そうで居た堪れなかった
その後ガスが体内に蓄積して嘔吐が出てすぐに手術入院となり人工肛門を施術された
入院の間何度も面会に行った時のあの嬉しそうな笑顔で入り口まで出迎えてくれた妻
腸内ステント設置や抗がん剤投与CVポート埋設、挙句は人工肛門施術
その間もちろん抗がん剤治療は行ってました
でも決して音を上げない気丈な妻由美子でした
令和5年は妻と二人三脚で日々を送りました
楽しかった 愛する妻の身の回りを自分がやれる嬉しさ 判りますか
その日の体調が良ければ何度も遊びに連れて行き、家で私と二人で居るだけでは寂しいかと考えた時には義母や甥姪の元へ連れて行き元気付けてあげた
勤務してた病院へも遊びに連れて行くとそれはもう元気いっぱいの由美子でした
実家の畑を観察するのが大好きで大きくなった野菜を嬉しそうに眺める由美子
畑の中に椅子を置いてやり坐って見てなと眺めさせてた時の嬉しそうな顔
連れて来てくれてありがとう慎ちゃん元気出たよと言う由美子
彼女の日記に「慎ちゃんいつもいつも私が面倒掛けてゴメンね」とある
そんな事ないんだって
思い出しながら涙が溢れて来る
あれからもうこんなに日々が過ぎ去ったんだね由美子
そろそろ秋の紅葉が始まるな また一緒にあちこちに行こうね
連れて行くから楽しみにしてて欲しい

