桜が開花した博物館へ行きました
どうしても妻を連れて行きたかった その一念です
極々柔らかい生地の布で包み尚且つ薄手の箱へ入れてあげ蓋を開ければ桜の景色が妻に見える様にしてあげた
朝なのでパーキングも人影がありませんでした
歩きながら見せてあげようと蓋を開け布地を取り除いてあげました
箱を縦に開き布地をどかしてあげて私は話し始めた
今年も二人で来たな、昨年はあそこの桜の下で記念写真も撮って頂いたなぁと話した瞬間に私はそこで嗚咽してしまった
可哀想で仕方がないのです
癌に等なる理由が今以て判らない
食生活然り、遺伝性なども皆無です
トルソー症候群で血栓が脳細胞を破壊し悲劇が重なってしまった私の妻
ゆっくり歩き妻の話し掛けながら場内の桜の満開を見せながら城内にも連れて行きました
城の中はどの桜もまだまだ蕾 まだ早いんだなと声を掛けどうする?もっと行ってみるか?と話したら記憶の強い妻の声がし、お城も満開になったら連れてってと聞こえたのです
後方に足音が聞こえていたのでおそらく私を哀れな人なんだろうなと感じていたかも
いいんですけどね 私は由美子に話し掛けてたんですから
何を思おうが他人の勝手です
実際この処頭がおかしく成っては居ます
その後、実家の畑を見せてやり阿弥陀如来と千手観音のお寺へお参りした
今日は初めて位牌を連れて来たので御仏様もふたりで良く来てくれたと仰っている気がしました
お墓はあの霊園で一番綺麗なお墓にしてある それも愛する妻への供養なんです

