体力が落ちた、身体の動きのキレが悪い…。
一見症状は違いますが、それらは横隔膜の動きが悪いからかもしれません。なぜなら、横隔膜は重要な筋肉とつながりがあり、影響が大きいからです。
横隔膜の動きが悪い場合、むやみに運動しても状況は何も変わりません。ただ、原因が明確であれば、それに対して簡単な運動をするだけ十分効果が出ます。
今回は、横隔膜の動きが悪くなる3つの原因をお伝えします。1つでも当てはまるようなら、文末に書いてある簡単な1つの体操を試してみて下さい。
<手の筋肉の問題>
横隔膜はインナーマッスルの1つです。インナーマッスルは、アウターマッスルに力が入り過ぎていると、機能が低下する傾向があります。
肩コリの原因でもあり、アウターマッスルでもある僧帽筋などに力が入いり過ぎていると、インナーマッスルは使いにくくなり、横隔膜も使いにくくなります。
僧帽筋は肩周りの三角筋や指を伸ばす筋肉までつながっていますので、手や肩の使い方が悪いと、インナーマッスルである横隔膜の機能は低下してしまいます。
〈脚の筋肉の問題〉
他にもアウターマッスルはたくさんあります。例えば、太ももの前側にある大腿四頭筋です。
この筋肉は、3つある腹筋の中でもアウターマッスルと言われている腹直筋とつながっています。
ですので、大腿四頭筋に力が入り過ぎていると、横隔膜の機能は低下してしまいます。
横隔膜は、大腰筋という運動パフォーマンスを上げるために重要な筋肉ともつながっていますので、横隔膜の機能低下は運動パフォーマンスを落とす原因にもなります。
<内臓の問題>
内臓疲労が起こると、内臓は本来の位置から下がってしまいます。下がってしまっても本人は気づかないですし、一旦下がった場合、なかなか戻らない人もいます。
すると、横隔膜は内臓に引っ張られて下がってしまいます。また、内臓を骨盤の下側から支えている筋肉に負荷がかかり続け、この筋肉の機能も低下してしまいます。
インナーマッスルの1つであるこの筋肉は骨盤底筋と言い、横隔膜までつながっています。アナトミートレインでいえば、ディープフロントライン(DFL)です。骨盤底筋の機能が低下すると更に横隔膜は使いにくくなります。
このように内臓の影響でも、このインナーマッスルである横隔膜の機能は低下してしまうのです。
<たった1つの運動で身体をリセット>
どの原因にも効果的な体操を1つお伝えします。それは、横隔膜がついている胸椎12番を触って身体を動かす事です。
ここは、横隔膜とつながっているインナーマッスルの大腰筋もついている場所ですので、非常に効果的です。
以下の運動を行うことで、呼吸が吸いやすくなります。また、動きも変わります。読み進める前に一度深呼吸をして呼吸のしやすさや、肩の動かしやすさを確認してみてください。
それでは、胸椎12番を触っていきますが、胸椎12番は探しにくいと思いますので、以下の手順で触ってみて下さい。場所は、多少ずれていても大丈夫です。
・おへそから指4本上を触る。
・その高さの背骨が胸椎12番。
そこを触りながら身体を動かしていきます。
・身体を右に3回傾けて下さい。その次に左に3回傾ける。
・これを2回繰り返す。
同じように胴体の回旋も行います。
・身体を右に3回捻る。その次に左に3回捻る。
・これを2回繰り返す。
終わりましたら、深呼吸をしてみて下さい。いかがですか?先ほどと比べて呼吸がしやすく、肩も動かしやすいかと思います。
インナーマッスルの横隔膜が使えるようになることで、つながっているインナーマッスルも使いやすくなり、僧帽筋などのアウターマッスルの緊張が落ちるからです。
横隔膜の動きを通して骨盤底筋も正しく働き、内臓の位置も正しくなります。
ぜひ、続けてみて下さい。
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