*前々回の記事のコメントのリクエストにお答えしております。
アテネオリンピック、陸上のハンマー投げで金メダルを取った室伏広治さんは独特な練習法で有名でした。
・赤ちゃんの動きを見本にしたトレーニング
・漁業で用いる網をきれいに投げるトレーニング
など
競技とは一見関係のないものを見本に、自らのパフォーマンスを高めていました。
室伏さんのトレーニング姿勢から、あらゆる動きには共通点があるということが伺えます。
器械体操の倒立時やアクロバティックな動きの後に床に着地する際に『ふくむ・ふくみ』、という動きをします。
この『ふくみ』は、器械体操に限らず多くの競技能力を高めるヒントになります。
具体的に『ふくむ動き』とは、脇を締めてみぞおちの力を抜くような動きを指します。
専門的には、胸を『含む(ふくむ)』などと表現します。
以前、なぜ器械体操選手はふくむ動きをするのか?という質問をいただきました。
ふくみを作る際に優位に働かせている筋肉・筋連鎖があります。
ふくみのみぞおちをゆるませる動きは、腹部の腹直筋を劣位に働かせ、大腰筋を優位に働かせます。
脇を締める動きは、前鋸筋~外腹斜筋を優位に働かせます。
つまり、バランスを取るためにインナーマッスルが働きやすい環境を作っていると言えます。
このふくみは、他の競技にも類似姿勢を見ることができます。
例えば、自転車競技でロードバイクをこぐ際には、まさに胸を含ませています。
みぞおちをゆるめて脇を締めて肩甲骨を立てながら自転車をこいでいます。その結果、大腰筋が使われ、股関節中心に脚が動きます。ゆえに、上手く漕ぐことができるのです。
また、空手の構えにも『ふくみ』の要素があります。
三戦立ち等、例を見ることができます。
似たような構えをするということは、似たような筋肉の使い方をしていると言えます。
多くの競技で『ふくみ』の類似姿勢を見て取ることができるのは、それほど股関節、脇の重要性が高いことに気付かされます。
*次回は、前々回の記事のコメントの他のリクエストにもお答えします。
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