文集◎ なつかしい ◎文集
私は 昭和37年3月 故郷山形から大阪に出てきた。
私が住んだのは、大阪北区の繁華街にある電気工事屋だった。
住まいは、繁華街から少し外れた 中津というところだった。
大河淀川の近くだった。
私達は3名で就職した。
私は他の二人とは別にテレビの修理で就職したのだが、店が小さく従業員も3名だけだった。
私達3名とで6名になった。
誠に小さな電気屋だった。
当時まだTVの修理技術者は少なく近畿一円を飛び回って修理をした。
店は大阪北区曽根崎にあり、日本でも有数の大都会なので大阪の金持ちが商売をしているところなので、仕事の心配はなかった。
私が気になったのは、この街の夜の顔だった。
昼間は繊維街として賑わっているのだが。
夜になると繊維街の2階はいかがわしい街に変貌するのだった。
夕方からきれいに化粧派手な服装の女性たちが集まってくるのだ。
こんな街に働く女性たちを題材に昭和37年から少しづつったものです。
題名 遊女の境遇
1番
辛い勤めも 家族のためと 【家族・・・・みんな
つくる笑顔のその奥に
何処か寂しい国訛り
遊び心で泊まった遊郭は 【遊廓゜゜゜゜宿
悔し涙を化粧の下に
隠して尽くす遊女ばかり 【遊女・・ひと
2番
酒の力で泊まった遊郭で
出あった遊女の身の上が
酔った心を吹き飛ばす
抱きたい気持で泊まった遊郭は
辛い涙を枕のしみに
残してつくす遊女ばかり
3番
涙で耐える遊女にも
数来る人のそのなかにゃ
好きで抱かれることもある
好きな男に身体を許し
嬉しなみだを男の肌に
流してつくす遊女ばか
令和5年5月11 羽前 龍山