静岡県庁本館。静岡市葵区追手町9。2020(令和2)年11月18日

1937(昭和12)年6月竣工、設計=中村與資平、施行=勝呂組、RC4階一部5階建。ただし、泰井武の原案に基づいて中村が実施設計をした。中庭が2カ所ある日の字形の平面。
ふじのくに文化資源データベース>静岡県庁本館』によると、1934年、新庁舎建設が県議会で可決されて、浜松出身で静岡市役所を設計した中村に依頼しようとしたが、費用が高すぎるとして、懸賞募集をおこなうことになる。中村はいったいどんな建物を考えたのだろう。県庁だから市役所以上に豪華なものにしようと考えたのだろうか。『国指定文化財等DB>静岡県庁本館』には「昭和9年の懸賞設計当選案(泰井武案)に基づき,大村巳代治ら県営繕の実施設計により竣工」と解説文にある。泰井は1926年開催の神奈川県庁舎懸賞設計に応募し、三等二席に入選している。
「帝冠様式」と言われるが、見た感じは無理矢理日本趣味を付け加えたようには見えない。すっきりとまとまった近代建築だと思う。


静岡県庁(北側)。2014(平成26)年11月18日