上:鈴廣旧店舗、左:鈴定
神奈川県小田原市本町3
2012(平成24)年4月7日

小田原に数ある蒲鉾店のなかでも最大手で最も有名なのが鈴廣で、その本店がかつて国道1号本町交差点のすぐ裏手にあった。その建物が今も残されている。鈴廣のHPには「昭和37年3月風祭に進出」とあるから、写真の店はその時点で閉鎖されたかと思うが、しばらくは営業していたのだろうか。
創業者の村田屋鈴木権右衛門は代官町の網元漁商で、副業として慶応元年(1865)に蒲鉾製造を始めた。明治中期、六代目廣吉が千度小路に店を移し、蒲鉾製造を本業とし、屋号を「鈴廣」としたという。その千度小路の店が.旧店舗の場所だったのだろう。
代官町も千度小路も旧町名で、代官町は千度小路のすぐ西である。家の角に「市場横丁」の旧町名保存碑がある。その解説文は「市場横丁は、本町と宮前町と千度小路の境を抜けている横町である。この横町は、海に臨んでいるので魚座(魚商人の同業組合)の魚商が多く住み、その名のとおり魚市場が開かれていたところである。」

鈴定は旧鈴廣の斜め向かいのしもた屋。「鈴定」の屋号の看板が残っている。やはり蒲鉾屋だったのだろうか。



理容ヤマムロ。小田原市本町3。2012(平成24)年4月7日

鈴廣旧店舗の四つ角を西へ行ったところ。この理髪店の向かい側に「代官町(だいかんちょう)」の旧町名保存碑が立っている。
平屋の小さな看板建築だが、そのたたずまいは素晴らしい。単純にというか思い切りよく左右対称にしたデザイン、上部中央にいれた装飾も気が利いている。店名の文字のレリーフが消されているのが惜しい。店名が変わったのかもしれない。