子宝湯。足立区千住元町3
1988((昭和63)年12月11日
千住柳町に、その町域を南北に分けるような割と広い道路があるが、その道路が千住元町にぶつかる先は狭い路地のようになってしまう。その路地の突き当りに子宝湯があった。路地は子宝湯の玄関の前で左右に通じているが、なんだかいかにも下町の銭湯にふさわしい立地だった。江戸東京たてもの園に移築されたが、そこでの写真を見ると大通りに面して建っているような塩梅で、建物の全体が見通せる。千住元町にあった時とはだいぶ見た感じが異なる。
下町といっても千住柳町は昭和33年4月に売春防止法が施行されるまでは遊里があり、その街に正面を向けていた形だ。そこで働く女性も客の男性も、この銭湯を利用したのだろう。
子宝湯の開業は1929(昭和4)年10月。主人の出身地石川県から職人を呼んで、思いきり贅沢に普請したという。それが消えてなくなることなく、保存されたのは喜ばしい。
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