
伝通院ビル。文京区小石川3-1。1989(平成1)年4月9日(3枚とも)
前の道路は春日通りで、写真左に「伝通院前」バス停が写っている。写真右手にすぐ伝通院前交差点があり、そこを北に入ると伝通院で、その交差点を軸に伝通院ビルと対称の位置に富坂警察署がある。そこから目と鼻の先の中央大学理工学部で起きた教授刺殺事件の捜査本部が置かれたところだ。
伝通院ビルは教会のような印象を受ける。普通のビルとはかけ離れた外観だ。『1956(昭和31)年文京区詳細図』の表町(おもてまち)28番地に「傳通会館」の字があるがその建物だろう。出入り口が大きくその前の階段も広く取っている。○○公会堂という名前の建物と同じような目的のビルとして建てられたもののようだ。『日本近代建築総覧』には「S4頃、RC3、半地下」としか載っていない。
『宗教団体情報データベータベース>伝通院』には、「(伝通院が昭和4年に)昌林院跡地に伝通会館を設立し社会教化事業を行なう」とある。ビルの外観から伝通院が建てたものとは以外だ。伝通院の境内にある淑徳学園を出ているぼくの妻は、このビルが伝通院と関係があるとは知らなかったが、中学のときにここにあった英語塾にいったという。階段の左に「小中高校生の○○英語/英研会」の看板があるから、それらしい。
ビルの前の商店は、左端が「ホロロッカ」(喫茶店か?)、その右の平屋が中華料理の「新三陽」、ビル入口の右が「赤提灯」(居酒屋だろう)、右端が「マルジュウ」というパン屋。