たぶんだっちゃんは何ともないの。
私が意識してるだけだから…。
彼にとっては只のファンサービス…
だけど私は…。
不可能だって分かってる…。
私が意識してるだけだから…。
彼にとっては只のファンサービス…
だけど私は…。
不可能だって分かってる…。
自分に自信なんてない…。
だっちゃんの気持ちがわからない…。
感情がグルグルと混ざって色んな事が回り回って、気づけばもう朝だ。
「さーて、次はどの組み合わせで行くかねぇ」
今回のライブのセトリや場位置確認を皆でしながら、各曲のパフォーマンスをざっくりと決めていた。
みんなが口々と意見しあってる中、私はみんなの意見を聞きながら欠伸を噛み殺している。
外はとっても寒いのに、暖かい部屋でじっとしてると眠たくなってきちゃうよね…。
こっくりこっくり船を漕ぎ始めそうな時、遠くから話し声が聞こえた。
「この曲辺りであたうのいっとく?」
「たまにはにしちあかな?」
「しゅうちあはどう?」
「やっぱりたかうのでしょ」
「たかうのは需要大きいからね、じゃー2人は決定!」
「千晃ちゃんはどうする?」
「ファンの子はどの組み合わせがいいんだろ…」
「ちあちゃん、誰がいいとか無いの?」
「…ちあちゃん、起きてる?笑」
そこでみんなの視線が私に集中する。
「えっ…えっわたし、が決めるんですか!?」
「起きてたんだね笑」
と皆がにこにこしながら次の言葉を待ってる。
「えっと…誰って特に決められないかな」
そう言うと、「だよねー」と集中した視線をばら撒くことができた。
唯一私の恋を知ってる宇野ちゃんが、「あーあ笑」とでも言いたげにこちらを見ていた。
ほんとは誰といたいかなんて、1人に決まってる。
右斜め前、いつも真剣に話し合いに参加するだっちゃん。
私みたいに欠伸をかみ殺すことなんかなくて、仕事熱心な人。
そして、私の好きな人…。
ちろりと顔を盗み見るつもりが、間が悪いのか、ちょうど目が合ってしまった。
「ん?なーに、千晃ちゃん」
柔らかい声でわたしにしゃべりかけてくれる。
この瞬間がたまらなく好きだ。
「…んーん、なんでもないよ」
大きな瞳に吸い込まれそうな感覚から逃げるように自分のネイルに目線を落とす。
指先についた光が窓から差し込む陽射しを反射してキラキラしている。
今の目の逸らし方、嫌な感じじゃなかったかな…?
だっちゃんの表情を見てみたくて、またちらりと盗み見る。
…つもりが、だっちゃんはずっとこっちを見ていたみたいで、また目が合ってしまった。
「…わぁ~何その乙女な反応!
俺と組みたいってこと!?
おっけー気持ち汲み取るよ!
ハイ!俺が千晃とペア組みます!」
「えっ!?」
突然の事に顔がボッと赤くなるのが分かる。
みんなの驚きの視線も私に向き、余計狼狽えてしまった。
「ちょ、ちょっと待「おっ珍しい~じゃあだっちゃきにしようか!
折角だし色々やってくれてもいいよ~」
□ ■ □ ■ □ ■ □
「どーゆーつもりで言ったんだろう…」
「うーんたまにだっちゃん分からないよね~」
「宇野ちゃん、さっきからにやけてる笑」
「ちあきもめっちゃ笑顔じゃん笑
いい風に考えるしかないよね~!」
あの後小休憩になり、宇野ちゃんと女性トイレで話す。
宇野ちゃんと話してる時、いくつになっても女の子は女の子だなって思える。
結局あのままにっしーと宇野ちゃん、だっちゃんと私のペアで確定になった。
正直に言うと、すっごく嬉しい。
仕事の忙しそうなだっちゃんにデートのお誘いなんて申し込めるわけない(そもそも誘う勇気がない)けど、だからこそお仕事で一緒に居られる時間が貴重でありがたくって。
眠気なんか一気に吹き飛んでしまった。
鏡を見ながらリップを唇に押し当てようとした時、廊下から話し声が聞こえてきた。
「伊藤さん、日高さんと組むんですね」
「あたしあの2人の絡み大好きなの~!
だから楽しみ」
「ていうか、実のところメンバー同士で付き合ってる人っているのかなぁ?」
「こんなに近くで仕事しててもわかんないよね~」
「まぁ仕事を考えたら不可能な話よね」
「ファンの子達の期待もあるしね~…」
だっちゃんの気持ちがわからない…。
感情がグルグルと混ざって色んな事が回り回って、気づけばもう朝だ。
「さーて、次はどの組み合わせで行くかねぇ」
今回のライブのセトリや場位置確認を皆でしながら、各曲のパフォーマンスをざっくりと決めていた。
みんなが口々と意見しあってる中、私はみんなの意見を聞きながら欠伸を噛み殺している。
外はとっても寒いのに、暖かい部屋でじっとしてると眠たくなってきちゃうよね…。
こっくりこっくり船を漕ぎ始めそうな時、遠くから話し声が聞こえた。
「この曲辺りであたうのいっとく?」
「たまにはにしちあかな?」
「しゅうちあはどう?」
「やっぱりたかうのでしょ」
「たかうのは需要大きいからね、じゃー2人は決定!」
「千晃ちゃんはどうする?」
「ファンの子はどの組み合わせがいいんだろ…」
「ちあちゃん、誰がいいとか無いの?」
「…ちあちゃん、起きてる?笑」
そこでみんなの視線が私に集中する。
「えっ…えっわたし、が決めるんですか!?」
「起きてたんだね笑」
と皆がにこにこしながら次の言葉を待ってる。
「えっと…誰って特に決められないかな」
そう言うと、「だよねー」と集中した視線をばら撒くことができた。
唯一私の恋を知ってる宇野ちゃんが、「あーあ笑」とでも言いたげにこちらを見ていた。
ほんとは誰といたいかなんて、1人に決まってる。
右斜め前、いつも真剣に話し合いに参加するだっちゃん。
私みたいに欠伸をかみ殺すことなんかなくて、仕事熱心な人。
そして、私の好きな人…。
ちろりと顔を盗み見るつもりが、間が悪いのか、ちょうど目が合ってしまった。
「ん?なーに、千晃ちゃん」
柔らかい声でわたしにしゃべりかけてくれる。
この瞬間がたまらなく好きだ。
「…んーん、なんでもないよ」
大きな瞳に吸い込まれそうな感覚から逃げるように自分のネイルに目線を落とす。
指先についた光が窓から差し込む陽射しを反射してキラキラしている。
今の目の逸らし方、嫌な感じじゃなかったかな…?
だっちゃんの表情を見てみたくて、またちらりと盗み見る。
…つもりが、だっちゃんはずっとこっちを見ていたみたいで、また目が合ってしまった。
「…わぁ~何その乙女な反応!
俺と組みたいってこと!?
おっけー気持ち汲み取るよ!
ハイ!俺が千晃とペア組みます!」
「えっ!?」
突然の事に顔がボッと赤くなるのが分かる。
みんなの驚きの視線も私に向き、余計狼狽えてしまった。
「ちょ、ちょっと待「おっ珍しい~じゃあだっちゃきにしようか!
折角だし色々やってくれてもいいよ~」
□ ■ □ ■ □ ■ □
「どーゆーつもりで言ったんだろう…」
「うーんたまにだっちゃん分からないよね~」
「宇野ちゃん、さっきからにやけてる笑」
「ちあきもめっちゃ笑顔じゃん笑
いい風に考えるしかないよね~!」
あの後小休憩になり、宇野ちゃんと女性トイレで話す。
宇野ちゃんと話してる時、いくつになっても女の子は女の子だなって思える。
結局あのままにっしーと宇野ちゃん、だっちゃんと私のペアで確定になった。
正直に言うと、すっごく嬉しい。
仕事の忙しそうなだっちゃんにデートのお誘いなんて申し込めるわけない(そもそも誘う勇気がない)けど、だからこそお仕事で一緒に居られる時間が貴重でありがたくって。
眠気なんか一気に吹き飛んでしまった。
鏡を見ながらリップを唇に押し当てようとした時、廊下から話し声が聞こえてきた。
「伊藤さん、日高さんと組むんですね」
「あたしあの2人の絡み大好きなの~!
だから楽しみ」
「ていうか、実のところメンバー同士で付き合ってる人っているのかなぁ?」
「こんなに近くで仕事しててもわかんないよね~」
「まぁ仕事を考えたら不可能な話よね」
「ファンの子達の期待もあるしね~…」
…さっき話し合いの時、部屋の隅にいてたスタッフの子達だ。
あの子たちの言う通り。
私たちは芸能人で、皆とはビジネス仲間だ。
私たちは男女で活動してることもあって、擬似カップルを作ってパフォーマンスをする事が度々ある。
それはファンの子達に喜んでもらえるようにと思って仕組んでいたことで、本当のカップルじゃない。
私のこの恋は生まれてはいけないものなのだ。
聞こえてきた会話にハッと気付いて、浮かれてた気分も落ち込み出す。
そうよ…喜んだ所で何にも起こりゃしないんだから…。
部屋に戻り、椅子に座りながら、つい無意識でため息が出てしまった。
嬉しくなったり悲しくなったり、今日はなんだか忙しいな。
目に見えて落ち込んだ私を見兼ねて宇野ちゃんが話しかけてくれる。
「だいじょうぶ?私スタッフさんに言って変えてもらおうか?」
私が押し黙っていると…
「千晃、俺とペア…やなの?」
「えっ…?」
だっちゃんが私の背後から顔を覗き込んでいた。
ペアの話だという事はバレバレのようだ。
「ち、違うの!ペアのとこ緊張しちゃうから、練習して失敗しないようにしなきゃなぁと思って!」
少しの間。
「だいじょうぶ?私スタッフさんに言って変えてもらおうか?」
私が押し黙っていると…
「千晃、俺とペア…やなの?」
「えっ…?」
だっちゃんが私の背後から顔を覗き込んでいた。
ペアの話だという事はバレバレのようだ。
「ち、違うの!ペアのとこ緊張しちゃうから、練習して失敗しないようにしなきゃなぁと思って!」
少しの間。
「はは笑
なるほど、一瞬俺が嫌われてるのかと思った笑」
「嫌ってたら、《日高以外で!》って言うよぉ~」
「わぁー!ちあちゃんきっつー!」
だっちゃんの笑顔に私も明るくなる。
ああもう、なんて流されやすいんだろう。
嬉しくて頬が緩んでしまう。
「俺が千晃と、ペア組みます!」
あの時照れたように、少し頬を赤らめてくれただっちゃんに、やっぱりどうしようもなく好きだと言いたくなった。
私の事、嫌いじゃないんだよね?
私に可能性が無いわけじゃ、無いんだよね?
そう、彼に問うてみたくなった。
だけどまだ、その時じゃないんだよね?
だっちゃんが忙しい事なんてちゃんとわかってる。
この先もずっとずっと忙しいかもしれない。
それでも私、だっちゃんに振り向いてもらえるように頑張るから…
だから好きでいさせてね?
□ ■ □ ■ □ ■ □
ライブも中盤。
いよいよだっちゃんとペアの曲に差し掛かる。
私はいつもより緊張しながら、だっちゃんの隣に立った。
あったかいお日様みたいなrapを隣で聞きながら、なんだか泣きそうになってしまって。
全然悲しい曲じゃ無い。
それなのに、彼に満足に気持ちを伝えられない自分がなぜか、このタイミングで、疎ましく思えてしまって。
涙目になった私に気付いたのか、だっちゃんが私の頭をぽんぽんと叩いた。
フォローしてくれたのか涙がじんわり滲んだけど、ファンの皆の歓声に私も嬉しくなる。
メロウな雰囲気の中下手からメインステージに戻るとき、
きゅっと握った掌と、頬が熱い。
きっとまた耳まで赤くなってるんだろうな…
でも恥ずかしくない。
今のこの仕事がとても大事。
だからこの恋の結末を急がなくてもいいよね…?
そう思いながら、手を強く握り返した。
でも手をつないだ相手も真っ赤になってるだなんて、俯きながら歩いてた千晃は気付くわけがない。
2人が結ばれるその時はまだまだ先どころか、もうすぐそこまで来ているのかも……?
end.
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