「千晃、ちょっと離れて…」
「えっ…あ、ごめん…?」
気分良く彼の背にもたれていたのを、だっちゃんに引っぺがされた。
なんで、と反論しようと彼の顔を見上げたけど、少しだけ見えただっちゃんの硬い表情に私もつい固まる。
なんであんな事言われたんだろう…?
千晃は寄りかかっていた彼を見上げた。
つば広の帽子をかぶって、ただ一点を見つめる彼。
今回のmvでは、小道具の1つ、メンバーと性別を逆転させたマネキンと数カット撮るのだ。
あまりに上手くできている彼に愛着が湧いて、1人で恋人ごっこなるものをしていただけなのに…。
そんなに見苦しいものだったのだろうか…?
…まさか、やきもち!?
えー!だっちゃんが!?めずらしー!!
メンバーに引っ付いてても何も言わないのに!!
なんで人形相手に!かわいいな!!
なんで人形相手に!かわいいな!!
少し離れたところでわしゃわしゃと頭をかくだっちゃんの背中を見て、どうしようもない衝動が生まれた。
ヒールの音が鳴らないようにこっそり背後に近づき…
「えいっ!」
目一杯の力でだっちゃんの背中に体当たりした。
「うわっ!!」
「マネキンにヤキモチ焼いたんだな~可愛い奴め~」
「ばっ…!?妬いてねーよ!!
ちあきのばか、少女マンガ脳!」
「なによ~夢見たっていいでしょう~!」
言い合っているうちに追いかけっこが始まってしまった。
「なによ~夢見たっていいでしょう~!」
言い合っているうちに追いかけっこが始まってしまった。
スタッフの皆が呆れてて、それでも皆楽しそうだった。
前を走る真っ赤っかな顔になってるだっちゃんを見て、私も内心ドキドキしたのは内緒。
春はもう直ぐ…。
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前を走る真っ赤っかな顔になってるだっちゃんを見て、私も内心ドキドキしたのは内緒。
春はもう直ぐ…。
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