いよいよラウンド16の中でも屈指の好カード、どちらが勝ってもおかしくない実力者揃いの戦い。日本を破って勢いを増してきたブラジルと、怪物を起点に史上初のベスト8進出を目指すノルウェー。試合前の下馬評ではブラジル優勢とあるが、個人的にはノルウェーが王国を喰うのではないかと大いに期待していた。
<試合結果>
ノルウェー🇳🇴vsブラジル🇧🇷 2−1
これぞ怪物ハーランド、その一言に尽きるような活躍ぶりだった。得点だけでなく、前線からプレスのスイッチ、世界最高峰のCB2人に対してロングボールを確実におさめ一気にチャンスを作るなど、まさに世界最高のストライカーという呼び名を与えてもいいのではないだろうか。試合を振り返ると、前半はどちらにも決定機があり、試合前のブラジルがある程度ボールを保持するという予想とは裏腹に、意外にもオープンな展開となった。そんな中でもブラジルは序盤からあの日本戦の後半で使った4−4−2型でヴィニシウスを起点にサイドにボールを集中させ、ドリブル突破からチャンスを作る。一方のノルウェーは低い位置では繋がず、ハーランドに長いボールを放り込み、溢れたセカンドボールを回収して高い位置でのビルドアップを試みた。それぞれの戦い方にあったチャンスを作れていたというのが前半の印象だ。
後半になって、ブラジルの守備強度(特に前線)が低下してくる。それに伴って次第にノルウェーがボールを持つように、ブラジルも攻撃の際はサイドからクロスを上げるも、日本とは違って高さとフィジカルのあるノルウェーのDFラインに空中戦では歯も立たず、得点の匂いが薄れていく。そして後半35分、ブラジルのプレスが緩くなったところを逃さずに、左からフリーでクロス。ブラジルCBのマガリャンイスのマークをハーランドが完璧に外し、圧巻のヘッドで先制に成功。その後もノルウェーは引かず、高い足元能力の中ボールを保持。ブラジルもチャンスを作るが、ノルウェーGKのニーランに阻まれる。後半45分、フリーで受けたハーランドがボックスの外からミドル、見事にアリソンの手の届かないところに決まり、勝負あり。ATに追い上げを見せるブラジルだが、ネイマールのPK1点に止まり、結果2−1でノルウェーが大金星を上げた。
この試合を見て、日本は勇気を持ってボールを持つべきだったという意見を持つ人も多いことだろう。ただ、個人的な見解としては、今回のブラジルがいわば史上最弱とも言える姿で、日本戦の時と比べてプレスの連続性や守備強度など、ディフェンス面での意識が完全に欠落していた。もしかすると、日本戦の時は塩貝のあの発言が火種となってブラジル選手のモチベーションを上げてしまったのかもしれない。正直、この試合のブラジルの守備強度なら日本もボールを保持して展開を安定させられた可能性がある。だがそれはあくまでも結果論で、ノルウェーのようにクロス対応に強く、ウーデゴールやハーランドのように前で安定して収められる選手が日本にいるのかと聞かれると少し返答に鈍る。まだまだ世界の壁は高い、そう実感させられたこのラウンド16の試合でもあった。
ここで勝ったノルウェーはいよいよベスト8へ、勢いのまま赤き海賊がこのまま今大会を飲み込むのか、目が離せない。