《 京都の古刹歩き 》
〔 洛東 No.16 〕
【 三十三間堂 】
[ 蓮 華 王 院 ]
1001体の観音像と
118mの建物が迫力です!
「三十三間堂」として知られる横長の本堂は
正式には蓮華王院という。
後白河法皇が1164(長寛2)年
離宮・法住寺殿を造営し、
その仏堂1つに1001体の千手観音を作って
祀ったものが今日に残っている。
◆ 観賞POINT ◆
国宝の千手観音坐像と重文の千手観音立像、
1001体の観音像、風神雷神像などが、
迫力十分。
靴を脱いで、内陣に入ると最初、風神像に出合う。
風の袋を背負い、
左手で袋の口を抑える姿は躍動的で、
今にも動き出しそうなダイナミック感に溢れる。
背後にずらりと並ぶのが1001体の観音像。
暗い堂内で金色の輝きをもって迫る。
いずれの像も柔和な顔で、
見ているうちに気分が和み、
800年の歴史を通じて安心を祈る声が聞こえてくるようだ!
本尊は・・・
十一面千手観音像。
堂内中央に坐し、
その周囲に
二十八部衆の大弁功徳天や毘沙門天などが
安置されています。
本尊は高さ3.35cm。
頭に11の顔があり、体には40本の手をもっている。
40本の手は1本が25の世界を救うことから
40☓25で1000を表すのである。
正面の顔は慈悲に溢れた面持ちで接してくれます。
最後に対面するのは雷神像だ!
腰から輪形につないだ8個の章小太鼓を背負い、
怒髪天をつく、
といった気迫のある顔で立っています。
風神は北側に、雷神は南側に配置されて、
拝観の初めと終わりをくくっています。
建物では本堂も観賞の目玉の1つ。
内陣の柱の間が33あることから
三十三間堂と呼ばれるになった
鎌倉時代・1266(文永3)年の建築である。
それ以前の建物は1249(建長元)年の大火で焼失し、
後嵯峨上皇が再建を指示して復興した。
長さ118m。
名建築物として国宝にも指定されています。
内陣は正面33間、側面3間であるが、
周囲に1間分の庇の間がめぐらされているので、
正面35間、側面5間の建物となる。
正面の35間の柱の間は全て板扉となっていて、
開けると内側から明かり障子となるのが特徴。
日本建築の繊細な美意識が感じられます。
◆ エピソード ◆
修学旅行には必ず組みこまれる寺で、
清水寺と京都の寺院観光を二分する人気を誇っています。
だが、大人になっていく方が感動も大きい。
というわけで、
最近では中高年の支持を受けているという。
ここを訪れる目的は、
現世利益をもたらすという観音信仰から、
仏像の美や国宝を味わう芸術鑑賞に
変わってきているようです。
■ DATA ■
《 所 在 地 》
京都市東山区三十三間堂廻り町657
《 交通アクセス 》
京都駅前より
市バス206系統・208系統に乗車し、10分、
『博物館三十三間堂前』停、下車徒歩1分。
《 拝 観 時 間 》
~4月1日~11月15日~
8時00分~16時30分受付
~11月16日~3月31日~
9時00分~15時30分受付
《 拝 観 料 》
¥600
30名以上団体・¥550
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★ 龍虎 俊輔 ★
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