京都 古寺巡り‐寺社巡りが楽しくなる京都ガイド‐ | 龍虎俊輔の独り言-無心是我師-

龍虎俊輔の独り言-無心是我師-

歴史作家の龍虎俊輔本人によるブログ。

国内旅行、寺社仏閣、京都に関してを題材にして、
言いたい放題。+「☆本日はこんな日だ!☆」
「百鬼乙女関連記事」
一読したら、Facebookの「いいね」を押してね。
Twitterをやってる方は、ツイートしてね。

《 京都 古寺巡り 》
- 寺社巡りが楽しくなる京都ガイド

最 終 テーマ
南山城テーマ Ⅳ
〈 浄 瑠 璃 寺
浄瑠璃寺
は、
京都府木津川市加茂町西小札場にある真言律宗の寺院。
山号を小田原山と称し、本尊は阿弥陀如来と薬師如来、
開基(創立者)は義明上人である。
寺名は薬師如来の居所たる
東方浄土『東方浄瑠璃世界』に由来する。
本堂に9体の阿弥陀如来像を安置することから
九体寺の通称があり、
古くは西小田原寺とも呼ばれた。
緑深い境内には、池を中心とした浄土式庭園と、
平安末期の本堂及び三重塔が残り、
平安朝寺院の雰囲気を今に伝える。
本堂は当時京都を中心に多数建立された
九体阿弥陀堂の唯一の遺構として貴重である。
浄瑠璃寺は
九体阿弥陀如来を安置する寺として知られているが、
創建当初の本尊は薬師如来であった。
九体阿弥陀如来を安置する現・本堂の建立は
創建から60年後の1107(嘉承2)年のことであった。
1つの堂に9体もの阿弥陀如来像を安置するという発想は
「九品往生」思想に由来する。
「九品往生」とは「観無量寿経」に説かれる思想で、
極楽往生
(人が現世から阿弥陀如来のいる
  西方極楽浄土へと生まれ変わる)
のしかたには、
仏の教えを正しく守る者から、
極悪人まで9つの段階ないし種類があるという考えである。


静寂の浄土庭園を望む
九体の阿弥陀仏


==================
奈良との県境近く
当尾の里に立つ古寺

1047(永承2)年、
当麻の僧である義明上人の発願で創建された。
九体阿弥陀仏を祀ることから
九体寺とも呼ばれる。
正式名称である浄瑠璃寺の名は創建時の本尊、
薬師如来の東方浄土、
浄瑠璃世界から付けられた。
11間の横長の本堂内陣には
通常1体の阿弥陀仏が9体祀られています。
これは、
人は生前の行いによって往生の仕方に
9つの段階があるとされた“九品思想 ”によるもので、
その全てを救うのが、九体阿弥陀仏である。


平安時代末期、
浄土思想の広がりとともに大流行し、
藤原道長の法成寺無量寿院をはじめ、
30数列作られたが全て消滅し、
現存するのは全国でも浄瑠璃寺のみ。
この他、
本堂には国宝の四天王像や、
秘仏の吉祥天女像など貴重な仏像が安置されている。


境内には中央の宝池を挟んで、
東の此岸に薬師如来を祀る三重塔、
西の彼岸に九体阿弥陀仏を祀る本堂が立つ。
東の薬師は
過去から送り出してくれる過去仏で、
西の阿弥陀仏は
未来の理想郷で衆生を迎え入れる未来仏だという。


そのためこの寺の参拝は、
過去から未来へ。
東の薬師如来に救済を願い、
振り返って池越しに
西の阿弥陀仏に来迎を願うのが、
本来の形である。
当時の人々の極楽浄土への強い思いが、
この大がかりな伽藍配置を生み出した。

また、
浄土庭園は、
ほぼ創建当時のまま残り、
国の特別名勝に指定されています。
平安時代の浄土信仰の形式を今に伝える、
文化財的にも貴重な寺である。


-≪ 本堂内の須弥壇上に並んでいます ≫-
☆ 九体阿弥陀如来像
国  宝
9体とも檜の寄木造で漆箔。
印(指の形)は一番大きな中尊は丈六像で来迎院を、
脇に並ぶ8体は半丈六像で定印を結んでいる。
いずれも定朝様式である。

-≪ 阿弥陀仏が安置されています ≫ -
☆ 本  堂
~ 国  宝
九体阿弥陀堂とも呼ばれる。
9体が一列に並ぶため横長で、
阿弥陀仏を西に拝めるように東向きにし、
前に浄土の池が置かれる。
9体それぞれに板扉が設けられている。

-≪ 薬師如来が祀られています ≫-
☆ 三 重 塔
 国  宝
平安時代末期に
京都一条大宮から移築されたもの。
初層に祀る薬師如来は
この寺の最初の本尊で秘仏。
毎月8日、彼岸の中日、正月三箇日のみ、
好天に限り、開帳される。

-≪ 本堂に祀られています ≫-
☆ 四 天 王 像
~ 国  宝
四天王は世界の四方を守り、
外から悪が入らぬようにする力の神。
手前が持国天、奥が増長天。
いずれも全身の彩色がよく残っている、
藤原期の四天王の代表像。


-------------
CLOSE UP
-------------
仏像ファンにも人気の美しい秘仏
吉祥天女像


五穀豊穣、天下泰平を司る女神。
通常は本堂内の中尊の脇に置かれた厨子に安置され、
非公開ですが、
特別公開時のみ開扉されます。

☆ 特別公開期間 ☆
1月1日~1月15日
3月21日~5月21日
10月1日~11月30日

-------------
DATA
《 所 在 地 》
京都府木津川市加茂町西小札場40

《 交通アクセス 》
- 手段1 -
JR奈良駅・近鉄奈良駅から
浄瑠璃寺行きの奈良交通バスに25分乗車し、
「浄瑠璃寺前」下車、徒歩3分。
- 手段2 -
JR大和路線、加茂駅から
コミュニティーバス当尾線を22分乗車し、
「浄瑠璃寺前」下車、徒歩すぐ。

《 拝 観 時 間 》
9時00分~17時00分
12月~2月:10時00分~16時00分

《 拝 観 料 》
境内拝観自由
本堂拝観¥300
浄瑠璃寺は境内には無料で入場できるため、
庭園や国宝の本堂・三重塔などの外観や
三重塔内拝観日における塔内拝観は自由にできる。
本堂の堂内への入場
(木造阿弥陀如来坐像9体等の拝観)は有料である。




※※※※※※※※※※※
 龍虎 俊輔 
※※※※※※※※※※※