久しぶりの批評会が終了したらトンボ返りする予定でした。
体力に自信がないからと、
いつもいつも人を頼り、迷惑はかけられないと、
こわごわ一人で出てきた旅。
何とか無事に予定をこなしたら、
どうしても海に会いたくなりました。
疲れていても、旅先での目覚めは良好
電車で一時間半の寄り道をすることにしました。
漢方薬を一包いただいて、
ちょうどやってきた電車に飛び乗ってしまいました 
海辺の町の駅に降りたとたん、雨がぽつりぽつり・・
青空を覆うように、雲が広がり出しました。
青い海には会えそうにない。
空腹と蒸し暑さで気分が悪くなってきました。
変な汗が出ます。
以前の私なら、たぶんここで引き返しました。
でも・・・・
そこに来たバスにまた飛び乗ってしまいました。
海辺を通る保証もないのに・・・・
「東浜です ！」
車窓に海は見えないけれど、降りてみました。
ゆるい坂があり海が見えました。
ポツ ポツ ポツポツ
雨が降り出しました。
近くにビルが見えたので、
急いでその軒下に。
あら、バーでしょうか．お酒屋さんでしょうか？
硝子の向こうに、沢山のお酒が並んでいます。
「雨宿りして行きなさい。」
突然ドアが開きました。
「有り難うございます。」
中に入りました。
カウンター席がありました。
「何かこちらでランチ食べられますか？」
すすめられた席に座りながら尋ねると、
大柄なシェフが奥の部屋から
「食べなくてもいいですよ。気楽にしてください。」
と明るく言います。
「いいえ、お腹が空いていて、レストランを探していました。」
ということで奥のカウンター席へ、
新しいタオルをいただいて雨でぬれた腕など拭きながら、
刺身定食が出来上がるのを見ていました。
わあー
かき氷の上に新鮮なお刺身の盛り合わせ、
ちょっと苦手な脂ののった青魚から一口いただきました。
えっ、
初めての触感！嫌みがありません。
生臭くもなくて、おいしくいただきました。
私の嗜好を考えて、
適当にメニューを替えて手品のような手さばきで、
次々にお皿が出てきました。
それが美味しくて、たちまち食べてしまいました。
数人のお馴染さんとの、会話を聞きながら。
「孤独のグルメ」を思い出していました。
雨が降らなければ・・・
たぶん一人では入れなかったお店・・・
左隣の男性が、目の前の器を前にして、
常滑焼など、磁器の話を時折されます。
何となく声をかけてしまいました。
「焼き物がお好きですか？」
「ええ」
「クレイグさんと言うオーストラリアからいらした陶芸家の釜が
近くにあるのですが・・・」
そこから何がどうしてか。
町おこしの話。医療の話。介護の話に。
スマホから、彼の理想を描いたイラストを
見せていただいてびっくり！
数年前にブログにあげた私の構想と一致する部分が多くて。
ツーカーで解かることが多くて・・・
「こういう話をすると、
医療は足りてると言われるでしょう？」
「そうなんですよ！」
話が弾み、
「お邪魔でしょうか」と
持参していた風の掲示板の木札を
差し出してしまったのですが！
その場でたちまち書いてくださいました。
彼の心に置いている仕事上の信念なのでしょう。
なんと彼は外科医で、病院長でした。
私の活動の記録をぱらぱらと見ながら、
「これだけのことをすでにされていたら、
夢ではないですよ。」
と、具現化する道筋を教えてくださいました。
「法律とか、私の頭では理解できないので。」
と、
やがて近いうち・・の再会を夢見ました。
いただいた木札は風の掲示板にかけさせていただきます。
気付くとあっという間の1時間を過ごしていて、
電車に乗り遅れそうー
慌てて外に出たら雨はやんでいて、
なんと青空が広がりだしました。
なんかドラマっぽくないですか？
でも、事実です。
夢に見た浜辺、ちょっと、海に触れられました。
しあわせです。
10分ほどの散歩。
きっと、また来ようと思いました。
こんな風に自分の本当に行きたいところに行く贅沢を
たまにはさせていただいてもよいなあ。
浜の風を吸い込んだら、
胸が楽になり、健康になっていくと感じました。
里山の風も海の風も
自然の風です。
その風の中に、
忘れがたい人との出会いがあり・・・
土地の思い出は人の思い出
有り難うございました。
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