この女… わたくし乙姫…
ここだけの話…
実は…かなり抜けている(知ってる?)
バカだとは言わないでもらいたい
真実は、知らない方がいい事もある。
おそらく…頭を振ればカランカラン。
横になれば耳から脳みそが垂れてくるし…
物忘れも激しい。
いつも意識だけが、どこかに飛んでいる(やはりバカ?)
人と話していても、ちゃんと聞いてるのは5分程度。
聞きたくない訳じゃないのだ。限界が、5分なのだろうと思う(ー ー;)
一応聞いてはいる(多分。)
ただ、途中で意識だけが出掛けてしまうのだ。
『ちょっと、行ってくるわ』
行ってらっしゃい(基本、外出は許可している。)
それは電話でも、仕事場でも、どこででも起きる…
最初に勤めていた魚屋さん
人のいい女将はこう言った。
『乙姫ちゃんて…
すっごい人の話を聞いてるように見えるけど…
全然聞いてないでしょ?』
バレたね( ̄ー ̄)
聞いた話は半分も覚えない。
だから、ストレスはあまり感じない
あんな鬼亭主の側で、可憐な私が何とか生きていられたのも…
ひとえに聞こえない
見えない見えない
の成せる技ではないだろうか
細かな事は気にならないし、アイロン掛けも嫌いだ
洗い物も嫌い…
まぁでも、仕方ないからやるけど(-_-)
出来ない訳ではないのだ。
これでも、わたくし乙姫、ベテラン主婦なんでございます!
今でこそ、意識は外出する程度だが、
幼少期の私は、かなりのファンタジー女だった。
あの頃の私の意識は、きっと海を渡り、山を越えて、神や人魚や、悟空やブルマに会っていたのだろう。
空も飛びたかったし、アジトとか作るの好きだし、
動物と喋れるような気もしたし(ヤバい)
あの頃の私ならば、宇宙人とだって、きっと仲良くなれたはずだ。
あの頃のわたしの夢…
夢はネバーランドに住む事だった
子供だけの国、夢の島、海賊にワニに大冒険。
未だに思う…
何故ピーターは、乙姫に会いにこなかったのか?(不思議だ。)
サンタは信じなかったくせに(胡散臭さいよね。)ネバーランドは信じていた。
単純に信じたかったんだろう。
ウェンディの気持ちは、可憐な私にはわからない。
何故帰ってしまったの?ウェンディ
私は、ウェンディみたいに大人にはならない!
ずーっと!
ネバーランドで生きる!
大人になんか、ならないぞ。
ピーター、何故来てくれないの?
ロンドンに住んでいないから?
金髪美人じゃないからなの?
うちが出窓がないから?
窓なんか開けとくっちゅうの!
さぁ来い!ピーター!!
こうして、幼少の乙姫は、毎夜ピーターを待っていた…
切ない思いでだ…
初恋だったのかも(ゴメンね彦星。)
あの思い出のおんぼろアパートがあった場所…
そこは、私が幼少期を過ごした場所でもあった。
懐かしの道を、子供達と散歩した…
私と両親が住んでいたアパートまで、直線距離の道…
そこを歩いていたら…
あったのだ。
私のファンタジーっぷりを思い出させる、あの場所が。
それは、更におんぼろアパート。
私が住んでた頃からおんぼろなのに、良くまだあったものだ。
私は、道を歩かない子だった
どんなに低くても、段差の上を歩いていたい…
歩道の横にある、あの小さな段差でも…
人んちの壁でも…
石でも良かった。
いかに道を歩かずに帰れるか…
私はこれにかけていた(本気だった)
あのおんぼろアパートの壁を、スタスタと華麗に歩くのは日課だった。
ランドセルを背負ったまま、うんこらしょっとよじ登る。(華麗?)
私が子供の頃は、かなりの高さに思えたけれど、今見たら、大した高さではなかった。
また、やってみようかしら?
何て思ったけれど…
やめておこう。
バランスをとって歩くには、おケツが大きくなりすぎた。
木登りも好きだった。
一番高く上がるのは常に私。
人んちの屋根の上にも寝っころがった。
両親と住んでいたアパートは二階建て。
私達の部屋は二階。
雨どいを器用に使い、二階までよじ登る。
その姿は、まさに猿、てか、こそ泥(-_-)
私はあえてベランダから入る。
鍵が閉められていたらムカつくので、(過去に入れなくなった経験有り)
絶対に閉めないように、キツく母に言ってあった。
ローラースケートが流行った時代だ(懐かしい)
ローラースケートでどこまでも行くのも、大事な特訓の一つだった…
階段を下りてみたり…
何段から飛び降りられるか、挑戦してみたり…
これを履いた状態で、軽やかに自然に行動できるようにならなければならない。
尻餅も沢山ついた。
でも、私は頑張った。(勉強はしなかった)
ドキドキの毎日
危険と隣り合わせの人生だったのだ。
もちろん、ローラースケートで壁歩きにも挑戦。
忍者ならば、これくらいはお手のものなはず!(お前は忍者ではないが)
そして…
落ちた…
なんと、人の車の上にΣ(o゚ω゚o)ハッ
さすがに慌てたが、見たところ、車は何ともないように見えた。
誰も見ていない…
華麗にそのまま帰った。
お陰様で怪我はございませんでした。
そして、あの壁歩き…
その日は朝から雨降りだった。
ランドセル以外に、傘を持っていた。
学校から帰る頃には、雨は止んでいた。
仲良しのお友達と帰る。
お友達はなぜか、道を歩いていた。
お決まりの壁の上に、その日もよじ登る
壁の切れ目で飛び降りるのが、毎日の楽しみの一つだった。
傘を持っている…
せっかくの傘…活躍させたい!
私の脳内イメージではこうだ。
私は飛び上がる。
何故だかフワッと飛び上がるイメージだった。
ゆっくりと着地をする。
着地の前に、傘でそっと地面をつくのだ。
すると、傘を杖のように…フワンと私は着地するはず。
そう、イメージは、天使の着陸(乙姫バージョン)
なんかの映画で見たもん
雨に唄えばだったかも(-_-)
フワッと、そっと、最後はフワンだ。
私は飛んだ。
ヒュン!
思ったのとちょっと違う…
傘をそっと…
ガタン!
あれっ⁈
ズルッとドッスンΣ(;゚ω゚ノ)ノ
痛ぁいー>_<
傘は予期せぬ衝撃と、私の重さに耐えられず…
ズルッと横にずれた。
そして…傘の柄のヤロウは(口悪いわね)
私の顔面を殴った!
よほど、嫌だったのだろう…
しかも口!歯だよ歯!
どうなったかって?
フワンじゃなくってドッスン!
顔面にもろ。
しかも体重かかってるし(-_-#)
口からは真っ赤な血がポタポタ垂れた…
『乙姫ちゃん大丈夫?』
『だい、じょぶ…』
かなり涙目になった。
母は私を見て真っ青。
事情を聞いた母親に、大目玉をくらった(かわいそうに)
そして私の歯…
グラングラン
しかも…欠けてた(T_T)
欠けたのはちょびっとだけどね
ファンタジー女は、一つだけ学習した。
例え傘を持っていても…
人はドスンと落ちるのだ( ̄ー ̄)
前歯二本の長さが、微妙に違う乙姫は…
生まれつきだという事にしている。
終わり。