ここで見た景色を

ここで過ごした日々を

ふとした時に なんとなく


窓から聞こえる街の音で

夜に眠った香水を嗅いで

あなたの事を なんとなく


温かい珈琲を飲みたかったから

いつもの棚からコップを取った

予備の牛乳が無くなったから

いつものあの店へ向かった

なんとなくの生活に

なんとなくあなたの影がある


もうじきいつもの公園に桜が咲くって

今年の盆こそあのプールへ行こうって

毎年同じ時期に同じ会話をして

この山は紅葉が綺麗そうだって

雪を見て露天風呂に入りたいって

計画だけでなんとなくの達成感を味わった


あの時聞いた音楽を

あの時話した雑学を

ふとした時に なんとなく


床に残った傷を見て

趣味とは違う家具を見つけて

あなたの事を なんとなく


早く横になりたかったから

いつもの映画は観られなかった

気持ちよく目覚められたから

いつものおはようを口に出した

なんとなくの日々に

なんとなくあなたの影が残る


部屋が暗いのは電球が切れたせいか

布団が寒いのは人肌がないせいか

なくして気付くものとは


裸足のまま床を歩くのが気になり始め

毎年のベットシーツ替えが当たり前に

いつの間にかの日常とは


なんとなく こうさ

ため息をついて外を見て

なんとなく そっと

昔のアルバムを開いてみて

溜め込んでなんかいないよ

なんとなく ほら ね