大人なあなたへ

出会った人が私なら

将来を考えていたかしら

この家具にも思い出があったかしら


気取らないあなたへ

もし私に変わるなら

全てを忘れてくれるかしら

私の初めてに耐えられるかしら


外交的で でも壁は厚くて

気配りで でも気張り屋で

愛してるなんて言わないよね

だって言えないはずだもの


お茶目なあなたへ

夜に思い出すのはあなたの顔

目尻を下げて遊んだね

もっと垂れ目になっちゃって


余裕が見えるあなたへ

私がそこにいなくても

今の動きは変わらないよね

計算された隙だらけだもの


こちらを見る真っ直ぐな目を

何度も見つめて また逸らして

力強く迫ってくる唇を

何度も味わって また感じて


この風景を見て微笑みたかった

先に愛した人になれない私が

惨めで 卑しくて 独りよがりで

後一歩の言葉を詰まらせる


大人なあなたへ

手を引いて部屋に案内して

同じような事たくさんしているのね

小慣れたところが隠れていないもの


気取らないあなたへ

来てくれるだけで充分だって

同じように 誰でも誘っているのね

会話の流れがうますぎるもの


私を見る時と 隣を想う時

勝てはしない 負けを認めるけれど

この今 抱き締め求められている時は

他の誰にも越えられない自信がある


ずるくはないよね

これ以上進めないのはお互い様だもの

あなたの家で朝を迎えても

何の後悔も罪悪も感じないはず


お茶目なあなたへ

そうとは感じない柔らかい口調で

目線を合わせ微笑み返してくれる

あぁこうして恋に落ちるのね


余裕が見えるあなたへ

いつも通りの敬語は崩さない

一定の距離を超えたくないのよね

あぁこうして月日だけが流れるのね


似た人を街で見かけて

目で追う自分が窓越しに映った

隣を歩く人に焦点を当てたところで

気持ちが変わらなかったのは


まだ諦められる境地にいる

別の道を歩けばそれでいいはずなのに

きっとあなたのせいなのよ

ちょっとだけ上を見てしまうのは


大人の余裕を目の当たりにして

気取らないお茶目な姿を見せられて

離れられる前に離さないと

気持ちを入れてしまったら終わってしまう