まだ会った事もない 見た事もない

そんな人で溢れたこの地で

ふと目が合った三秒間

パーマを当てた髪から除く目が

力強く だかどこか寂しげで

俺は誰でもない 唯一を行くんだと

そう言った誰かと同じ目をしていた


ポケットに入れた右手を

感情と共に振り上げ自らを表す

左手はマイクを握り締め

仲間と共に作り上げた世界を歌った

音に揺れ 体を弾ませ 波を作り

小さな歩幅で島を渡り歩く

これは個性だ 過程だ 一巻だ


鎖骨が見えて地肌の色を知る

隙間から見えた黒い闇に

独りの寂しさを知る顔が見えた

目の奥に宿る野望が

幾千 幾万もの歓声に燃え上がる

俺が来たんだ 感情的になるのか

静かに強く言い放った


人混みにかき消され見失った今

ベンチに座り運河を見つめる

ここが安らぐ場所らしい

遠い地を知る人でないと見られない

この場所が好きだ

気取らない姿にやっと会える

ここなら二人 手を繋いでも良いだろう


子供のように笑う顔

愛おしくて髪を撫でる

嫌がる手と目を細めた微笑み

ほら コーラ買いに行くよ

ちょっと着いていこうかね

外の寒さを教えてくれる優しさも

歩幅を合わせてくれる気遣いも


何をしようかと静かに見つめて

素朴なその目がまたいやらしくて

ありがとう 共にいてくれて

音もないこの部屋で二人

何もしない同じ時間を過ごした

時に見つめて笑い合って

ありがとう 愛してくれて


もうこれでいいよ

見せかけの姿が剥がれていく

ここが良いでしょう

まだ足りていないみたいだけれど

笑ってさえくれれば

愛であっても夢であってもいい

今のままうまくやっていければさ