ふとした時のあなたの声

安心する声

私は一人じゃない

それはあなたも同じ


大勢で雑魚寝

共に寝る孤独

虫の声が静けさを増す

僕はここだと叫んでいるかのよう


胸の弾力を肌で感じ

肌の匂いを香りで感じ

香りの形を思いで感じ

あなたの思いを胸で感じる


ふとした時のあなたの顔

思い出す顔

いつもの笑顔で

私だけに見せていて


あなたの帰りを待つ

幸せで苦痛の時間

テレビだけが笑っている

僕も笑えば良かったのかな


目で聴いて 耳で観て

青い雲と白い空を両手で感じ

踏み出す髪と話し合い

風に揺られた脚を全力で泳がせて


直したコーヒーカップから

どこか苦味のある懐かしい香り

いつもはあなたが淹れるから

苦味を感じなかったのかもしれない


ふとした時のあなたの形

後ろを歩く影

布団に残る抜け殻

洗濯に紛れた靴下も


これで見納め これが見納め

二つになった鍵の置き場が

なんだか窮屈そうで新鮮で

いつでも取りに戻っておいでね