代わり映えのない日々

空想や妄想すらもない

決まった時間に起こされ

同じような顔ぶれと揺られ

いそいそと歩く波に潰される


ふと顔を上げ ぼんやりと

いつもより遠くを見つめる

過ぎゆく建物とは違う静かな山の動き

辺りがしんと静まり返り

久しぶりの空想が降りてきた


束の間に素早く通り過ぎた歩道橋

甲高い音が流れ去る頃には

いつもの現実に引き戻されていた

今更 山を見ることもない

何処へも行けないのだから


あの頃はどうだろう

一つ前の駅で降り ゆっくりと歩いて

明日は何をと物思いに耽ってみたり

次は本を持ってこようだなんて

時間を贅沢に使っていたのかもしれない


今ではもう そんな余裕もない

目を開けるたびにかすみ

口を開くたびにため息が出る

何が楽しいのだろうと布団に入って気付く

何だか喉が乾いてきたよ


残された瞬間を記憶に書き写す

この気持ちはまた思い出すから

今はもうこれでおしまい


生き果てた空間を心にしまい直し

この生涯で良かったと思い返す

そうね これで間違っていなかったのよ

この為に生まれて この為に動いて

明日なんてもう来ないから


思い出を語るのは少数でいい

皆にまで覚えてもらっていないもの

知らぬ間に閉ざされていようとも

私が満足であればという強さが欲しい

そうね これで間に合っているのよ


これが最後の日 良かったと思えても

もっとやればと懇願しても

今はもうこれでおしまい 終わりなの