軟骨に開いたピアスが少し痛む

暖房で暖かくなった部屋で喉が乾く

煙草か息か分からない白い煙を吐く

さぁ この季節の始まりだ


暖かい布団に包まり汗をかく

鮮やかな色より落ち着いた色を好む

夜が長くなり寒さから人恋しさが増す

さぁ 鈴の音が聞こえてきた


ゆっくりと過ごす朝が過ぎ

あくびをした後にまたあくびが出る

いつの間にか外は暗くなり

またあくびをして布団に入る


ちょうど良い湯冷めの感覚が

今日も生きていると感じさせる

夜の匂いに何か足りない感覚を

帰り道に一人考えながら無言で歩く


この場所で手を取り合っていれば

蘇る映像に後悔を重ねる今

そこに咲いた花は何色だったか

空の色は 灯の色は 瞳は 夢は


首元から頬にかけて満遍なく絹を巻く

少し小さめの手袋に指を遊ばせて詰める

分厚めの靴下を履いて暗い街へ駆り出す

これを待っていたんだ


手を擦りながら旨い湯気に誘われ歩く

曇った窓からじんわりと暖かな灯が漏れる

階段を登る音が澄み切った空気に響き渡る

この時期を隣で生きても


これで悦んでくれる 悼んでくれる

別れ道も思い通りに進めている

この匂いと この肌寒さが

今までの繰る思いを繋いでくれる


ありがとう この季節の始まりだ