深く抱き締めても

この穴が塞がることはない

深く抱き上げても

この想いが高ぶることはない


何をしても変わらない

今度こそ来た落ち目かと

そう嬉しいものでもない

欲望と現実に顔をうずめる


ノックをしたらあなたが

周りに気を遣い会釈をしながら

ドアを開ければあなたが

イニシャルが書いたマグを片手に


会いたかった 

なぜか今日は寂しく感じた

だからごめん 待ってた

迷惑だったかもしれないね


深く抱き寄せても

この違和感が埋まることはない

深く抱きかかえても

この祈りが聞こえることはない


ただ共にいる それだけのこと

顔を見て笑い合い 共に眠りに堕ちる

それが幸せと思っていた

今でもそう思う ただの強欲だと


お皿を片すあなたが

文句を言いながらも洗剤をつけながら

キッチンにいるあなたの声が

テレビの話し声に蹴散らされ


会いたかった 

なぜか今日は切なく感じた

だからごめん 帰るよ

勝手だったかもしれないね


もうそこにいないのであれば